かわうそ日記 ( 2002年08月 ) こよみのページ こよみのページ
減量・・・  (2002.8.31[土])

黄昏時のビル群夏休み明けの1週間は、仕事の締め切りがいくつか重なったため、珍しく(?)忙しかった。それでも、木曜日には目鼻が付いたので、金曜には普段の生活に近い日を送り、昼休みのランニングも復活。まだ暑いとは言え、一時期の様に耐え難いほどと言うこともなくなったことを実感しながら、浜離宮の脇の道を走った。

夕方は7時頃に職場を出た。日も短くなり周辺のビルの背景に見える空も大分暗くなっていた。仕事が一段落した週末と言うことで、気分は上々。上々の気分のまま途中下車して某体育館へ向かう。もちろんラケットを振り回しに。
始めて30分、体が思うように動かない。持久力が無い。1時間もしないうちにバテてしまった。思い当たることはある。この1週間の生活だ。
5日間で睡眠時間は10時間あったかどうか、食べるのが面倒だったので、お結び2〜3個で1日を過ごしていた。これでは仕方がないな。

帰って、体重計に載ってみると3kgの体重減。1週間で5%も体重が減るようでは持久力も落ちるわけだ。土曜と日曜は、養生して体力を取り戻すことにしようと思う。
と、言いながら予定を見ると、両日とも昼・夜2度ずつラケットを振り回しに行くことを予定が。体重がもとに戻るのは秋になってからだな・・・。


ただ今  (2002.8.26[月])

 夏休みを終えて、和歌山の本宅から千葉の自宅へ戻った。
 今回は車での帰省だった。日曜の夜なので東名出口での渋滞を予想して、それを避けるつもりで出発を少し遅らせたが、結局20kmの渋滞に巻き込まれた。それでも、それ以外は順調だったので出発してちょうど12時間で到着。途中での2度の休憩時間を差し引けばほぼ10時間半。680kmのドライブである。

 土日を含めればほぼ10日間の休み。夏休みなど撮る余裕の無い人も多いことを考えれば大変贅沢とは思いながらも、あっという間の夏休みだったと言うのが正直な感想。
 本宅を後にするとき、家内と長男(小学校1年生)が玄関で手を振ってくれた(生後10ヶ月の次男は昼寝中)。

 「行って来ます」

出発の際の言葉である。単身赴任の生活も7年となり、大分慣れたとは言えバックミラーに映る家内と子供の姿が次第に小さくなって行くのを見るのはつらいものだ。もっとあれをしてやれば良かった、あんなに怒るんじゃなかったと言う後悔ばかりが浮かぶ。進歩のないことだ。

 深夜に千葉の自宅に辿り着き、車から荷物を降ろす。郵便受けに一杯に詰め込まれた郵便物の類をひとまず引き抜き、ドアを開けて誰もいない暗い玄関に荷物を降ろす。独身の頃はそれでも機械的に「ただ今」と言ったものだが、今は言う気がしない。それは多分自分の帰る家はここでは無いと無意識に感じるからだろう。
ここは、あくまで仕事のために一時的に立ち寄る場所。家ではないのだ。

 「ただ今」

次に家族に会うときのために、この言葉はとっておくことにする。家に帰るときのために。


はじめまして・・・かな?  (2002.8.20[火])

 現在、夏休みをとって和歌山の本宅で子守に明け暮れるかわうそである(「まだまだ甘い」とは妻の言)。
 どんと田舎であったかわうその本宅付近にもここ数年家が建ちはじめ、ついに今年は「お向かい」が出来た。春までは、リビングから裏の山の木々がよく見えたが、今は裏山は視界の半分の領域へ追いやられてしまっている。風光明媚と言うような眺めでは無いが、冬枯れの樹の灰色・春の若葉の緑・夏の櫟の花の黄緑・秋の櫨の葉の朱とぼんやりと眺めて楽しんだその風景が無くなった。

新ケロリン 寂しい話しを一つしたところで、もう一つは嬉しい話し。古手の読者の方ならご存じかも知れない我が家の玄関の守り神、ケロリンが戻ってきた。
 7月頃から現れたと電話で聞いていたが、今回は2ヶ月ほど本宅へ戻れなかったので、私にとっては今回が初対面。大きさは昨年のケロリンより一回り小さく、少しスリム、多分別人(別蛙)。それでも我が家の玄関先に住み着く蛙の名前は「ケロリン」と決まっている(勝手に決めている)。今年も冬眠の時まで、守り神として過ごしてもらいたい。

 今年のケロリンは、小ぶりだがその分活動的。そして傘立てよりもその脇にある郵便ポストの下、無秩序に播いた花の種が芽を出したプランターの中が好みらしい。
初対面の時も、葉っぱの蔭からこっちを見ていた。なにはともあれ、

 「はじめまして」


追記.
実のところ私は蛙が苦手である(子供の頃の精神的な外傷・・・?)。そのため、あんまり接近しない。さわるなんて論外。その事実を知っている家内が、ケロリンからも一定距離を保つ私を見て笑うので、

 「見つめるだけで十分、プラトニックな関係なのさ」

と答えおいた。


変身  (2002.8.14[水])

 島から帰って今日で4日目。月曜日に出勤すると2週間ぶりに出会う職場の面々は
  「オー!」「すごい!」「別人だ!
と驚きの声で出迎えてくれた。
無理もない、自分ですら鏡を見る度に真っ黒な自分の顔に驚いているのだから。

 夏の一番暑い時期を東京より気温が5〜6度は低い島で過ごしていたため、真っ黒にはなったが思いの外快適な夏だった気がする。「夏だった」と既に過去形にしてしまったが、昨日今日と大分涼しくなり暦の上だけでなく、気候的にも秋といった気分である(まあ、この点は普通の人より体感気温が5度は低いと思われる私ならではかも知れないが)。
 どうやら今年も、家では一度もエアコンの世話にならずに夏を終えそうである。

 既に気持ちは「秋」となってしまった私ではあるが、明日からは夏休み。ここ2ヶ月帰れなかった本宅に戻るつもり。
 家に帰ったらきっと職場での第1日目の反応同様、驚きの声で迎えられることだろう。とくに現在9ヶ月のツチノコ(我が家の次男)の反応が楽しみ。家内にはくれぐれも他人だと勘違いしないでくれと電話連絡しておいたのだが。
一波乱ありそうな予感がする。


神津島の夕暮れ  (2002.8.10[土])

 仕事が無事終わった。正確には若干の片づけが残っているが、終わったと言ってももう良いだろう。後少しで帰れると思うと、気が軽い。
 夕方、仕事が順調に進み予定通りに帰れると家内に電話した。もっとも帰ると言っても千葉の自宅の方へで、家族の住む和歌山の家へ帰るのは更に1週間先ではあるが。

 電話を終えた帰り、海岸沿いの道から砂浜に降りて神津島の夕暮れを写真に収めた。思えば、2週間目にして初めて降りる砂浜。歩くと、サンダルが砂に埋まった。
  (最後の記念写真、ちょっと大きめのサービスサイズ?)
夕暮れの神津島


カメのいた日々  (2002.8.8[木])

ウミガメ 夏の太陽の下、海ばかり眺める日々が続いている。
 手の甲や顔は既に一夏分の紫外線を受けて、真っ黒である。職場に戻ったときは別人だと思われ兼ねないほど。

 始めは波ばかりと思って眺めていた海だが、ここ3日ほどはもう一つ楽しみにしているものが出来た。時々姿を見せる海亀がそれ。
 最初は、眺めていた海面に突然プカンと顔を出した海亀にびっくりし、珍しいものを見たと思っていたが、どうやらこの辺りは彼の縄張りらしく、波の間に浮き沈みする姿が結構頻繁に見える。

 今朝も、餌でも探していたのか暫く潜っては息継ぎに顔を出し、また海中へと向かう彼の姿があった。海亀目撃の証拠写真をと思い立ってカメラを構えるが、潜っては思いがけない場所に顔を出しまた直ぐに潜るというパターンを繰り返されるので、なかなかその姿を捕らえられなかった。何度か失敗してようやくカメらしい姿を納めることが出来たのが最初の写真。残念ながら人相(亀相)は判別出来ない写真だ。

 写真に写そうと思い立ったためもあり、今日はなんとなく「カメを待ちながら」時間を過ごしていた。写真に写した後も惰性のように、カメを待ちながらボーっと海を眺めていた。明日は、場所を移動するのでもうこのカメとは会えないかも知れないなと思いながら。

 午後になるとカメの姿は消える。これは昨日までの2日と共通したパターン。朝の漁が終わって昼寝でもしているのかも知れない。こちらも昼食後は持参の本など読みながら過ごした。あと1時間くらいで今日の仕事が終わろうかという頃、書面から目を上げると、波間に茶色の甲羅が浮かんでいた。
 今日は珍しいなと思ってみていると、少し離れてもう1つの甲羅が。3日目にして始めてみる2匹のカメ。浮き沈みを繰り返して遊んでいるようだったが、暫くすると1匹が、海面に顔を伸ばし、西へ向かって決然とした様子で泳ぎだした。

 彼の決意がいったいどんなものか知る由もないが、なぜか「決然」と泳ぎ去ると言った風に見えた。そして、もう一匹のカメも従うように首を水面に立てて西に向かって泳ぎだした。

 それから1〜2分、カメたちの姿は逆光の海の光の中に消えた。光の中にかき消されてしまったが、きっとカメたちは西に向かって泳ぎ続けているのだろう。決然として。
残された私はカメの消えた逆光の海を見ながら、「カッコイイぞ!」と独り言していた。

逆光の海


天上山  (2002.8.1[木])

 神津島での現地休暇となった一日、暑い下界をしばし離れるべく島の最高峰、天上山に登った。
 わずか571mの山ではあるが、海上を渡る風がこの山にぶつかって雲を生じ、山頂はこの雲の中に隠れることが多い。今日もまた3合目から上は雲の中だった。

蜘蛛の糸 急登1時間、山頂部分に至れば深い霧の中、あちらこちらに秋の気配を感じさせる花が咲く。海水浴客に賑わう夏の浜辺と打って変わって出会う人もない山の道。霧の流れを追いながら歩く。
 山頂は火山質の砂礫地帯が続く。乳白色の砂と霧、どこか別の世界に迷い込んだようだ。

更に小1時間も歩くと、再び灌木が茂る緑の多い場所に至る。灌木には蜘蛛の巣が掛かり、虫ならぬ霧の粒子を捕らえ水晶の数珠のように光っていた。そしてその先に急な傾斜で下って行く路が見えた。

秋の山から夏の海へ、その距離わずかに1時間。
下り始めるのがちょっと惜しい気がした。


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