かわうそ日記 ( 2005年10月 ) こよみのページ こよみのページ
十三夜  (2005.10.15[土])

さっきまでは雨だれの音が外の雨の様子を伝えていた。
今は、地面や屋根を打つ雨音が直接聞こえている。
一時弱まった雨が再び勢いを盛り返しているようだ。

朝に降り出した雨は夕方になってもいっこうに止む気配を見せなかった。
穂をそろえた尾花の花が、雫をたたえて一日中雨空を映していた。
十三夜十三夜の月は厚い雲の陰に隠れて姿を見せない。
虫たちも草の陰に隠れて、かすかに地面を打つ雨の音だけが聞こえていた。

9時を過ぎ、外出先からの帰り道、車のワイパーの動く間隔が次第に間延びし、やがて止まった。
今夜も一晩中降り続くかと思えた雨があがっていた。
家に到着して車を降りる頃には、くらい夜空の一角が明るく光り始めていた。
あきらめかけていた今夜の月が、黒雲にほのかに色落として姿を現そうとしていた。
虫の声がいつの間にかそこここに聞こえていた。

月は一時間あまりその存在を示して再び雲の向こうに姿を消した。
虫の声も止んで、勢いを強めた雨音だけが聞こえている。
十三夜の夜が更けていた。


あっという間劇場・その2  (2005.10.8[土])

九月の三連休の最後に運動会があった。
気が付いたら既に2週間以上が経過しようとしている。
あっという間だ・・・

「あっという間劇場・その2」をこんな風に締めくくってしまうと、日記もあっという間だ。だたし非難は囂々だろうな(そうでもないかな?)。

前日は南の海上を台風が駆け抜けていった。「駆け抜けて」と言う表現は似合わないほどゆっくりの台風であったが、枕詞として駆け抜けたといっておこう。
台風の余波で、運動会当日の早朝まで仕事となってしまい、眠い目をこすりながら運動会に出かけた。
現在の都会の運動会からは想像も出来ないが、このあたりの小学校の運動会運動会は、村中総出の行事である。運動会のプログラムを開けば、2歳の保育園児のかけっこから、70歳以上限定の老人会宝吊り競争まである。

 「揺りかごから墓場まで」

そんなキャッチフレーズを冠したいような運動会だ。
小学校の校庭に足を踏み入れると、それぞれの地区をの名前が書かれた沢山のテントがトラックを囲むように並んでいる。早朝、運動会開催決定の合図である打ち上げ花火の音を聞きつけると小学生の父兄はもちろん、どんな関係があるのかわからない人までが集まって、あっという間に組み立てて並べたテントである。
毎年のことで、みんなそれぞれ手順は飲み込んでいるので仕事が速い。ものの30分ほどで支度を終え、集まったみんなは家に戻って「運動会開始」の時刻を待つ。

運動会が始まると、我が子に向かってビデオカメラを向ける人の姿は都会も田舎も同じ。ただ、その合間合間に「一般参加競技」にねじり鉢巻きで参加する大人たちが多数いるところが、都会の運動会とは違うところか。かくいう私も4種目参加で、「平均的な地元民」になっていた。

一日中、日差しが強すぎことが気になるほどの天気で、運動会は順調に進行。
自分の息子たちもそれぞれ、順調に演目をこなしている。当初心配していたよりは二人とも好成績をあげているので一安心。

日が傾いて、いくらか過ごしやすくなる頃にはプログラムの演目が尽き、成績発表と整理運動のあとは、後かたづけ。
あっという間に設営された十数張りのテントは、「あっ」という間もなくみるみる片づいていく。別に誰が指示をするわけでもないのに人が集まってきたかと思うと、

  じゃ、そっち持って。はい倒しますよ! OK。
  これは○×地区のだから、西側に持って行きましょう。

と作業が進行。
ひとっ走り上の写真の背景にも幾張りかテントが写っているが、これらが見る間に姿を消していった。

運動会の閉会の辞を聞いてから15分経った時にはグラウンドには何一つ残っていない。運動会の最後の種目は、「後かたづけ競争」だったかもしれない。

勝ち負けはさておき、精一杯「後かたづけ」の早さを競った後は気持ちよかった。
なかなか気分の良いあっという間劇場でした。


あっという間劇場  (2005.10.2[日])

アスパラガスもどきレッド・アスパラガス 
クサスギカズラ属(Asparagus)
原種はアスパラガスとして知られるヨーロッパ原産の栽培種(和名:オランダキジカクシ)。
レッド・アスパラガスは、突然変異体で葉緑素が極度に少なく、茎は原種に比して長い。
秋に茎の上端から赤い花柄をのばすことからレッド・アスパラガスと呼ばれる。
苦みが強く食用には適さない。

野菜として扱われるホワイトアスパラガスと外見が似ているため混同されることがあるが、ホワイトアスパラガスは日を当てずに育てることで人工的に作り出されるアスパラガスで、レッド・アスパラガスとは別種である。

大正初期に観賞用に輸入されたものが野生化した。田畑の畦や日当たりの良い草地に自生する。
(偽物図鑑Vol1 T-20)


アスパラガスを食べられるようになったのは、実はつい最近である。それでも茹でたやつやホワイトアスパラガスはどうも・・・。

秋のこの時期になると柔らかな土のあるところに苦手なホワイトアスパラガス様の植物が生える。こちらは私一人の食用に適さないホワイトアスパラガスと違い万人の食用には適さない、レッド・アスパラガス。

レッド・・・は「真っ赤な嘘」のレッドかな。別名、じゃなかった本名、彼岸花。
にょきにょきと白いアスパラガスのような姿を現して、翌日には真っ赤な花を咲かせる。
あっという間の早業の変身である。
同じ真っ赤でもこっちは「明らか」を意味する真っ赤である。
この植物の姿は変身前後を右のボタンで切り替え可能→/
レッド・アスパラガスの解説は絵空事。ほんとはそんな植物はありません、悪しからず。

追記.
一本一本の変身はあっという間だが、次から次へと生えだしてくるので、しばらくは田圃の畦を見るたびに苦手なホワイトアスパラガスを思い起こしそうである。


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