かわうそ日記 ( 2006年07月 ) こよみのページ こよみのページ
「全国会議すっぽかし市議事件」の?  (2006.7.27[木])

数日前、移動中の車で愛知県半田市市議会議員の全国会議すっぽかし事件のニュースを耳にした。半田市の市議14人と市幹部2名の16名が出席していた全国会議の二日目をすっぽかして旭山動物園他へ出かけていた(たどり着けなかったらしいが)というもの。

翌日、またもや移動中の車で同じく愛知県の常滑市の市議5名(後さらに追加1名)が会議中に抜け出して地元出身のゴルファーの応援に出かけたとのニュースを聴くことになった。
この出張には議員一人あたり政務調査費約9万円が支出されていた・・・ということで、市民は怒り、市長や市議会は処罰も検討というおきまりの話もくっついていた。
まあここまではよくある不祥事。でもなんだか引っかかる「?」が残る。何だろう。

家に帰り着いた夕方のTVにもこのニュースが流れた。なんとはなしにそのTVニュースを見ていると、この議員さんたちのすっぽかした

 「全国都市問題会議」

の会議の模様がちらっと写った。そこには会議をすっぽかさずに真面目に参加していたニュースにならなかった真面目な議員さんたちが沢山。
大きなコンサートホール程の会場にびっしりと並んでいた。
この一瞬の映像で、今回のニュースを聞いたときから「?」と引っかかっていた事柄がはっきりした。

 この会議って、いったいどれだけの人が参加してるんだ?

がそれ。
だって問題になった半田市、常滑市から参加した市議会議員の数はそれぞれ18人と9人。それぞれの市の市議会議員の数を調べると、これは25人と26人。これからするとその市の市議全員の2/3及び1/3が参加している。
市議全員の2/3が愛知から北海道まで出かけていかなければならない会議ってなんだろう。普通に考えれば会議なんて2〜3人が出席して、結果を報告すれば済みそうなものだが。

さらには、全国からこのペースで集まったらと考えたらこれもすごい。
早速、「全国都市問題会議」でGoogleで検索すると
 http://www15.nittsu.co.jp/travel/event/cqc/index.html
が見つかった。主催は、全国市長会他。今回で「第68回」を数えているというのもすごい。

残念ながら今回の参加者総数はわからなかったが、昨年の67回の例では1700人参加だったとあちこち検索してわかった。今回は夏の北海道での開催とあって、もうちょっと多いのかななんて想像してしまうが、1700人としたってすごい(正確な人数が不明なので、以後は今回も1700人参加と仮定して話を進める)。
大体こんな大人数で「まともな会議」なんて果たして可能なのだろうか。

発見した前述のサイトから議題と会議の内容を拾うと

議題:都市の連携と交流-まちのちからの活用
内容:第1日 基調講演、主報告、一般報告、特別講演
   第2日 (午前)パネルディスカッション (午後)行政視察

行政視察コース(A〜Dのうち一つ選択)
A:大倉山ジャンプ競技場とウィンタースポーツミュージアムコース
B:札幌芸術の森野外美術館見学コース
C:モエレ沼公園見学コース
D:アサヒビール園札幌工場見学と羊ケ丘展望台コース



上記のサイトには、講演内容やパネルディスカッションの講演者、内容等の情報と、ついでに行政視察4コースの見所を解説したしたページもあるので、このページが消える前にチェックしておいて頂けるとこの会議の様子が想像出来る。

議題の「都市の連携と交流-まちのちからの活用」は議題というより何かのスローガンのようだ。私も仕事で「会議」に連なることがあるが、こうした漠然とした議題は往々にして、話し合う具体的な事柄が無いのにとりあえず会議を開かなくてはいけないといった場合に付けられるものだ。

 「夏の北海道を満喫する旅・・・札幌市周辺ガイド」

かと疑いたくなるような二日目の行政視察コースの案内を読むとますますこの会議の中身を疑いたくなる。

普通1000人を越えるような会議なら全体会の他に分科会を設けて、個別の問題に対しては分科会で話し合うなどするものだが、全くその気配なし。

毎年毎年、日本全国から千人規模の議員や役所の幹部が気楽な一泊旅行に出かける口実となる以外にこの会議の存在意義はあるのだろうか。

十数人の議員が会議を抜け出したことの問題より、抜け出しても問題ないようなこんな会議に千人以上もの議員が毎年出かけることの方がよっぽど問題は大きいような気がするが、新聞やTVではこの辺の話は何も取り上げられない。何とも不思議だ。

で、本当にこの 全国都市問題会議 って必要な会議なの?

追記.
この時代だから以前の会議の議事録なり報告なりがあるかとネットを検索してみたが、参加した議員の感想めいた記事がいくつか見つかっただけで、きちんとした報告は発見出来なかった。
報告にまとめられるほどの内容が無いから?

追記・その2.
紹介したサイトであるが、最初はてっきり主催者等が作っているサイトだと思っていた。
ところがよく見るとサイトのトップに並んだパンくずリストは、

 日通旅行 >大会・学会・イベント会議> 第68回 全国都市問題会議top

となっている。「日通旅行」をクリックすると、その名の通り旅行会社のサイト。
要するにこの会議案内は旅行会社のツアーの案内だったんだ。
やはり、

 全国の議員さん限定・・・夏の北海道公費旅行プラン

ってことだったのかな。

(その後も探したけど、主催者等の作っている公式らしいサイトは発見出来ませんでした)


雨の日の虫たち  (2006.7.24[月])

アスファルトと雨この間は35℃の青い空を撮していたというのに、ここのところは23℃の雨の空ばかり。
近くまで来ていた夏が、寸前でどこかへ寄り道をしてしまった。

今年は田植えが済んだばかりの5月から雨が多かった。
昨日今日の気温自体は田植えを終えたばかりの頃とそうかわらない。雨の多さも同じくらいか。
それでもあのころと今とでは少しだけ違うところもある。

あのころは穏やかな雨が延々と降り続いていたが、今時分の雨は降る勢いに強弱がある。それが違いの一つ。
もう一つは雨降りの中で聞こえる声の主の違い。
5月の雨音には、必ず蛙の伴奏があったのだが、今は蛙の声はすっかり聴かれない。今時分の雨音の伴奏は夏の虫たちの役目である。


雨の流れるアスファルトの道を越えるとそこは野原。
住宅地として均され、まだ家が建ち並ぶ前の草の原っぱ。時々草の写真を撮りに出かける原っぱである。
雨の勢いが弱まった空きに、傘を差して原っぱへと向かう。雨の日の草の表情はなかなかいいものなのだ。

雨に濡れた草の原っぱに足を踏み入れると、足下の草の葉の下から虫の声が聞こえる。
秋には秋の音の主役となる虫の声だが、夏の虫たちの声は残念ながら夏という劇中においては脇役。精一杯頑張ってもみても準主役がいいところ。
葉っぱの陰に姿を隠して鳴いている今日の虫たちも、主役の雨音を引き立てて、邪魔にならないように鳴いている。

アゲハの雨宿り原っぱで雨の中の草の写真を何枚か撮っていると、一時弱まっていた雨の勢いが増し始めた。

 こりゃたまらん

とカメラを仕舞って家へ向かう。途中、石垣の間に咲いた花の下に強くなった雨脚に

 こりゃたまらん!

と逃げ込んでいるアゲハの姿を見つけた。
飛び込んではみたものの、自分の身の丈に比べてあまりに小さすぎる雨宿りの花の下で、こんなはずじゃなかったというように羽を動かしていた。

カメラを仕舞ったばかりだが、雨の日の虫の姿として一枚撮しておかなきゃなるまいな。


空の色  (2006.7.13[木])

夏の空の色最高気温は35.2℃
じっとしていても汗の流れる一日。
降ったり止んだり、雨雲に覆われた季節を過ぎて
久しぶりに空が戻ってきた。

 ああ、空の色だ

その言葉以外思いつかない、空の色。


夢の値段  (2006.7.6[木])

宝くじ予想機

運任せだった宝くじを過去のデータを解析、分析して理論的に数字を予想する最新コンピューターのことです!
すべての宝くじに対応し、最新のコンピューター、完成度の高いソフトウェアーで今までに類をみない当選確率を導き出せるのです。


前回好き嫌いの「嫌い」なものについて書いたので、今回は「好き」なものを書いてみる。
近頃好き嫌いの虫が

 これ好き!!

と大はしゃぎしてくれたのが冒頭の広告。毎日沢山送られてくる広告メールの一つにあったもの。普段は迷惑なだけの広告メールだが、たまにこういう逸品の紹介が載ると思うと、無碍に配信停止には出来ない。

宝くじの当選番号が、きちんと作られたサイコロやぐるぐる回る回転板に突き刺さるトリック無しの矢によって決定されているとしたなら、

 いくら 過去のデータを解析、分析して 
 理論的に数字を予想する ことは
 最新のコンピューター だろうが何だろうが出来ない

て言うのが確率ってものだが、それにも関わらずこんなとんでもない製品が作られていて、それなりに売れている(?)と考えたら、なんだか世の中が楽しく思えてしまう。
0〜9までの数字から1つをランダムに選びこれを並べたとする。その結果が、

 (A) 3,9,1,2,2,1
 (B) 0,1,2,3,4,5

となったとすると、さて、(A),(B)の系列で次に現れる数はいくつだろうか?
(A)はよくわからないけど、(B)だと次は 6 かな。

もしこういった予測が成り立つなら「過去のデータを分析」してみる価値もあるだろうが、本当にこれがランダムに選び出された数字の列であるなら、次に 0〜9 のどの数字が出るのかは、過去にどんな数字が並んだかとは無関係に同じ確率である。
短期的に何らかの法則らしいものが見えたとしても、それはあくまでも見かけのもので、次の予測には結びつかない。

とは判っていてもこうした無秩序さを受け入れるのは難しい。すぐに何かの法則性を見いだして、無秩序なものを秩序立てて理解しようとしてしまう。それがどうやら人間の性というものらしい。
そしてその性の故に、宝くじ予想機が商品として成り立つのだろう。

ネットで、「宝くじ 必勝法」「LOTO6 攻略法」といったキーワードで検索をかけると無数のサイトが引っかかる。くじを買う側に本当に必勝法があるとしたなら、宝くじを主催するものは誰もいなくなるだろうに、解っていても(?)やめられない人たちは、

 いいんだよ、夢を買ってるんだから

という。
現在の宝くじ(LOTO6なども含む)の平均的な配当率は45%ほど。とすると、配当額を除いた宝くじの値段の55%が、夢の価格ということなのだろうか。
100円で宝くじを買ったら、その場で配当金の45円と

55円  金 五十五円 を受領しました。
 (但し「夢」代として)

と書かれた領収書を渡される場面を想像して、クスッと笑うのは夢のない行為だろうか?

追記.
上記の領収書に、

  金 五十八円 を受領しました。
 (但し「夢」代及び消費税5%として)

と書かれていたら・・・なんて考えるのは、もっと夢のない行為だろうか?


好き嫌い  (2006.7.4[火])

好きな風景 好き嫌いしちゃダメ!

とは子供の頃に耳にたこができるほど聞かされた言葉。
辛く苦しい日々を乗り越えて今私は、

 好き嫌いのない立派な大人になった

なんてことはない。
好き嫌いの多い子供が、歳経て好き嫌いの多い大人になっただけである。言葉を変えれば三つ子の魂百までと言えないこともない。

 平成18年度アクションプラン

仕事の書類の表紙に書かれたこの言葉を見た瞬間、好き嫌いの多い大人の好き嫌いスイッチが思いっきり

 嫌い

に傾いた。
アクションプラン・・・、実行計画と言っちゃまずい何かの理由でもあるのだろうか。数年前は確か、「実行計画」となっていたと思うのだが。
すぐに意味がわかる言葉であるからそんなに目くじらを立てるほどのことではないと、「大人の部分」は思うが頭の奥に潜む「三つ子の魂」が嫌だ嫌だと駄々をこねる。
泣く子と何とかには敵わないから、やっぱり嫌いだ。

どうも私の中の「三つ子」の言語感覚は保守的な傾向が強いらしい。訳のわからない流行言葉よりは多少黴が生えたくらいの言葉を好む。多分黴付の鰹節にすると、生の鰹よりずっと長持ちするように、黴の生えた言葉の方が生ものの流行語より長持ちすると思っているからだろう。

アクションプラン、この言葉が黴がつくほど長生きしたら未来のかわうそ日記に

 かわうそ@暦の今月のアクションプラン

なんていうタイトルが踊る可能性が無いとは言えないが、まあ近い将来と言うことは無いだろう。言葉に黴が着くのにはそれ相応の時間が必要だし、私の中の三つ子の魂が気を変えるまでにはまだ50年以上は間があるはずだから。

それはそうと、「平成18年度アクションプラン」ってどう思います?

追記.
多少黴が着いた言葉だが、

 「男のロマン」

なんて言葉を平気で使うやつとは友達になるなと、三つ子君は言います。
多分この言葉は古くなってるけど、古くなって黴が付いたのではなく腐っていると感じているからだろうな。

(写真は、機嫌の悪い三つ子をなだめる風景写真でした)


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