かわうそ日記 ( 2006年08月 ) こよみのページ こよみのページ
惑星が12個?  (2006.8.20[日])

「近々惑星に3つが追加され、惑星は12個に。水金地火木土天海冥はどうなる?」

と一般のニュースで報じられた。星の話がニュースになる何てあまり無いことだが、今回のニュースはそれだけインパクトの大きなことなのだろう。
「3つ追加」といっても新しく発見されたと言った類の話ではない。今まではっきりしなかった「惑星」という定義をはっきりさせようとしたところ、その定義では今まで惑星でなかった天体も「惑星」になるのではというだけの話だ。

それに、この「定義」にしたってまだ採用されると決まったわけではなく、あくまでも惑星定義の原案として提出されただけの話である(8/24のIAU総会最終日になってみないとわかりません)。みんな気が早すぎる。

それはそうとして、この提案がアメリカから出たという話を聴いて、なんだかアメリカの思惑を想像してしまった。

不思議な話だが、今まで惑星とはという明確な定義は無かった。まあ、

 「天然の天体で太陽周囲を巡る軌道を持ち、太陽光を反射して光るある程度の大きさをもった天体。ただし、彗星状天体と他の天体の衛星は除く」

ってくらいの漠然としたものだった。これじゃんあんまり酷いのでちゃんと定義しておこうという動きは大分以前からあった。そうした動きの中で問題になったのは

 「冥王星は惑星か」

ということ。冥王星は1930年にアメリカのローウェル天文台のクライド・トンボーという人が発見したもの。それ以来太陽系の惑星は「水金地火木土天海冥の9つ」と言われ続けてきた。

ところが遠すぎてよくわからなかった冥王星の姿が近年の研究で解明されて来るにつれて、どうも冥王星は他の惑星と同列に論じるにはあまりにも小さく、あまりにも軽すぎることがわかってきた。

そのうえ、冥王星軌道の外側に、冥王星とよく似た性質を持つウェッジワース・カイパーベルト天体が続々見つかってくるようになって「冥王星は惑星だ派」の旗色は非常に悪い。
そしてその旗色の悪い「冥王星は惑星だ派」の中心はアメリカ。

なんと言っても冥王星は「アメリカ人が見つけたただ一つの惑星」なんだから、その冥王星が惑星じゃないっていうのは困る。
それに何とも間が悪いことに、今年はその冥王星発見者トンボーさんの生誕100周年の記念の年。その記念の年に「冥王星を小惑星にします」と決定されては「とっても困る」のだろう。

とは言いながら、冥王星が他の惑星たちと比べると大分異質なのは明らか。ならどうするかと考えた結果が、

 「冥王星が惑星でいられるように、惑星の定義を作る」

だったんじゃないかな?
そうして今まで曖昧だった、ある程度の大きさを持った天体が惑星のある程度を、自己の重力で重力平衡となる(重力で丸くなる)天体とした。これだと冥王星は立派に惑星。めでたしめでたし。

ただそれだけで済まなかったのはこの定義(+その他の付帯定義)からすると今まで小惑星とされていたセレスや冥王星の衛星カロン、それと最近発見された大型のカイパーベルト天体の2003UB313も間違いなく、「惑星」となってしまうこと。

つまり今回の「太陽系の惑星に新たに3つが追加」は、アメリカが自分の国で発見した唯一の惑星、冥王星の惑星としての地位を守りたいがためにとった行動の余波のような気がしてならない。
天上の世界も、地上の国々の思惑で動いてしまうってことかな?
8/24のIAU総会の結果はどうなるか、今はその結果を待つしかありませんね。

追記.3つだけでは済まないぞ
新提案がそのまま通ってしまうと、今回は3つの追加の話ですが、その後続々惑星が増えることになります。いまもさらに12の候補天体があるとか・・・。大変だ。

追記2.占星術師の皆さん頑張って!
新たな惑星が見つかるたびに「守護惑星」の数を増やしてきた占星術師の皆さん、また増やさないといけませんね。
今までより大変なのは、今回3つ追加されると惑星は12。地球は除くけど月と太陽が入るから占星術で言うところの惑星数は13。おっと、黄道十二宮より数が増えちゃいますね。
どうしましょう?

追記3.占星術師の皆さん頑張って! 2
おっと、そう言えば今までは現在の案では冥王星の衛星とされていたカロンも惑星とされることになります(冥王星−カロンの共通重心が冥王星の外にあることから、カロンは衛星ではなく、冥王星−カロンは二重惑星だという解釈)。
こうなっちゃうと、ホロスコープ作成のために冥王星とカロンと他の惑星とのアスペクトを計算するとこの二惑星の値は「いつも同じ」(ホロスコープレベルの表示精度では)ということになります。
どうしましょう? 2


好きなもの  (2006.8.1[火])

ヒメジョオンある雨の日、草の中から一本だけ顔を出したヒメジョオンが目についた。

 きれいだな

と思って写真に納めた。
何処にでも生えているヒメジョオン。写真となった花を見ればヒメジョオンの花としてもちょっとみすぼらしい。何処がきれいなんだといわれても説明は出来ない。
きれいだなと思えてしまうのだから仕方がないじゃないか。

久しぶりにリンクサイトのページに、新しいリンク先を加えた。
こよみのページのリンクサイトページは、専ら自分用のブックマークのようなもので、端から見ればきちんと整理されているとは言い難い。掲載の基準はといえば

 自分で忘れないようにしようと思うサイト

という以外にない。「じゃあ、どうして忘れないようにと思うの?」と尋ねられても上手く説明出来ないものも多い。
仕方が無いじゃないか、好きなんだから。


今回新たに増えたリンク先は、先方からの「リンクしました」というメールに記されたURL をたどって知ったサイト。たどり着いてみると、以前一度見たことのあるサイトだった。
今回あらためてそのサイトの中を巡ってみると、文章の書き方について触発されるところのある記事が多く、その点では「役に立つ情報がある」とはっきり言えるサイト。

だがしかし、リンクしたいと考えた本当のところは、なんか気に入ってしまったから。
人間の価値判断なんて何によって左右されるのか、判断している自分にすらはっきりとは判らない。幾ら理由をつけてみてもどうしても後付の理屈で終わってしまうのが関の山。理由など気にせず受け入れておくのが良さそうだ。

仕方ないじゃないか、とね。


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