かわうそ日記 ( 2007年03月 ) こよみのページ こよみのページ
木五倍子 (キブシ)  (2007.3.20[火])

キブシよく使う植物図鑑にはあちこちに付箋紙が貼り付けられています。
知らない花や葉っぱを見かけたときに調べては、ぺたぺたと貼り付けているのです。
既に写真に収めたりしたものには青い付箋紙を貼ります。自分で見て写真を撮って名前を調べた「青い付箋紙」の植物の名前は不思議と忘れないものです。

これとは別に、図鑑をめくっていている途中で、どこかで見覚えのあるけれど、それでいて名前を知らない植物に出会ったときにも、付箋紙を貼り付けておきます。付箋紙の色は赤。
赤い付箋紙は次に見つけたときは写真を撮ろうという目印のようなものです。

木五倍子(きぶし)のページには赤い付箋紙が貼られています。
春になると、毎日車で通勤する道の上に、未熟なブドウの房のような木五倍子の花を見ることが出来ます。
車を運転する私の目の高さよりほんの少し高い所にある枝からたわわに実った実のような一見すると花とは思えない花を咲かせています。
調べてみると木五倍子は、

 キブシ科キブシ属

の一科一属の植物で、更に日本に自生しているものは写真の一種だけということなので、その点では珍しい植物のようです。
この辺ではありふれた木ですが、生まれ故郷の山でこの花を見た記憶はありませんから、北国にはあまり生えていないのでしょうか。

昨年伸ばした枝に横一列にずらりと並んだ淡黄色の花房は、他には見ない姿ですから印象に残りました。この春になり、またこの花を見かけるようになってからは気になっていたものを、本日ようやく写真に収めることが出来ました。

これで、図鑑の付箋紙が一枚、赤から青へとその色をかえることになります。

追記.
木五倍子は、木藤(きふじ)、豆藤(まめふじ)、豆柳(まめやなぎ)、豆五倍子(まめぶし)とも呼ばれるそうです。
みな、この独特の花の姿から付いた名前のようです。


山桜  (2007.3.18[日])

ゆかし潟の桜今年は花が早そうだといわれていた染井吉野の開会時期はどうやら例年通りに落ち着きそうで、まだ里の桜はつぼみのままです。
里の桜はつぼみですが、山の桜はといえば既に満開を過ぎて花びらを散らせています。

和歌山の山桜は里の染井吉野に先立って咲きます。
私の故郷の山桜は里の桜より遅れて花を咲かせるものでしたから、ちがいに慣れるまでには 2〜3 年かかりました。

  いのちある木草のあはれ季(とき)来れば
   追わるるごとくつぎて花もつ
 (大岡 博)

山の中に、沼の畔に、誰に見られるわけでもない山桜が花をつけ、花を散らしています。
里の桜は人が植え、人が育て、そしてその桜が花つけると私たちは思います。
ですが、里の桜でも花を咲かせるのは桜の木で、人間ではありません。

人が植えた桜も、自然に根を張った山桜も、
季来れば追われるごとく花を咲かせます。

和歌山では今年もまた季が来て誰も見ていない沼の畔で、山の桜が枝いっぱいの花をつけていました。


改名しないといけない?  (2007.3.11[日])

私の姉は、その昔戸籍の上では「男」だった事があるらしい。
姉に小学校への入学案内が送られてきた際、性別の欄が

 「男」

となっていたことから戸籍の誤りが発覚、是正されたとのこと。
6歳上の姉の話なので、この誤り発覚前後のことは私の直接の記憶には無い。

家族の証言によって戸籍の誤りの原因を探ると、それには「名前」が関係しているようだ。
姉の名前の読みは男名としても女名としてもおかしくない。漢字で書けば、

 どちらかといえば男名かな

という文字である。そこで戸籍の受付をした方がよく確認もせず「男」としてしまったのではないかと家族の中では考えられている。
そんな姉も既に嫁いで銀婚式を過ぎる程になっている。結婚に際しては「新婦」として扱われており、婚姻届も問題なく受理されていたわけだから、戸籍上の間違いは「間違いなく」修正されているようだ。

さて、長々とこんな話を書いてきたのは他でもない。我が家にもそれに相当しそうな問題が発生してきたからである。

我が家の玄関先にすむ「トモノリ」と「タツノリ」は、生まれてからずっと男として扱われてきた。名前そのものも「男名」のつもりでつけて、男の子として扱ってきたのだ。
だが、最近になってこれが誤りではないかという疑惑がわき上がってきている。

1年の間を開けて、卵から孵ったときには五円玉サイズだった彼らも現在は5歳と4歳。甲羅の長さはどちらも20cmに達している。
図鑑によれば、クサガメは最大甲長30cmとなるらしい。ただし雄は最大でも20cm止まりとか。

となると、我が家の「トモノリとタツノリ」は普通のクサガメの雌なのか、最大級の雄なのかの分岐点に達していることになる。
これからの成長の具合によって、

 A:おまえなら、立派な(大きな)雄に育ってくれると思って名前を付けたんだよ。
 B:ごめん、男の子の名前を付けてしまって。女の子だったのにね。

のどちらのコメントを述べるのかが決まる。
もしかして、改名も考えねばならないので、

本当はどっちなの?カメの兄弟?

と尋ねても亀は答えてくれない。

追記.
写真は、水槽を掃除した直後のピカピカの水の中から私を見上げるトモノリ(左下)とタツノリ(右上)である。

掃除してやったばかりなのに、早速タツノリは樹脂製の亀島をひっくり返してしまっている。
どちらも短い尻尾がかわいい。

追記2.
本日、水槽掃除のついでに身体測定。
トモノリ(5歳) 甲羅長19.5cm / 体重 1010g
タツノリ(4歳) 甲羅長20.0cm / 体重 1050g


イヌ・キク・イモ 再び  (2007.3.2[金])

収穫物本日は「日記」と言うわけではないが、忘れていたことを思い出したので、再び忘れないうちに書いておきます。

思い出したのは、怪しい魅力を秘めた言葉

 「狗菊芋(いぬきくいも)」

です。
昨年の9/19の日記に狗菊芋の花の写真を載せました。

 「この写真の花が菊芋か狗菊芋かは霜が降りる頃に、
  その根の部分に出来る根茎を見てみないとはっきりしない」

と書いたのですが、今回は「霜の降りる頃」以後に掘り出した結果です。

霜の降り出す時期になってから掘り出して、正体確認したので写真は昨年の12月頃のもの。
すっかり「霜が降りない時期」になってしまった今頃書いているので、内容的には 3ヶ月前と、日記にあるまじきノン・リアルタイム記事ですが、忘れたままにしておくよりはいいかと。

写真に写っているのは、実葛(さねかずら)の実とどんぐり、そして狗菊芋の根茎二つ(どれがどれかわかりますか?)。
結論から言えば、9/19の日記の花は「狗菊芋」だったようです。

何本が期待して根の部分を掘り返してみましたが、菊芋なら有るはずの「芋」が見つかりません。申し訳程度に小さい小さい根茎が・・・。
狗菊芋の根茎も小さいだけで、菊芋の芋同様食べられるとの情報もあったので、この小さな根茎二つは茹でてかじってみました。

それ以後腹痛も無く済んでいるので、「食べられる」という情報には誤りは無かったようですが、あまりの量の少なさから「味」まではわかりませんでした。
この「味」を知るためには、親戚筋である芋の出来る菊芋を育てて、その芋を収穫して確かめるしかないかなと思いました。そのため、現在は「菊芋栽培」という次なる野望を燃やしています。

新たな野望の結果については、今年の「霜の降る時期」が来たらまたこの日記で報告しようと思います。半年+α先に、もう一度会いましょう。
ではまた。

追伸.
実葛の実とどんぐりは、親が狗菊芋の根っこを掘っている間に息子が周辺から採ってきたもの。
なんの関連性もありませんが狗菊芋の根茎が如何に小さいかを示すための「大きさ比較物」としてそのまま撮しています。
3種類の収穫物を載せているのは5歳児の手です。


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