かわうそ日記 ( 2007年08月 ) こよみのページ こよみのページ
ある空に  (2007.8.24[金])

時刻と時間は似ているようでありながら、全く違った意味を持った言葉です。
時刻は、時の流れの或る一瞬に刻まれた点。
時間は、点と点の間の長さ。

時刻は或る一瞬に刻まれた点ですから、我々がその時刻を気づくのは常に刻まれた後。
どんなに敏感にそれを感じたとしても、それが過ぎた後であることには変わりありません。


梅雨が長引いて、なかなか夏という気分にならない間に暦の日付は進んで立秋を過ぎ、暑さの呼び名が残暑に替わっていました。
記憶の中にある夏はもっとはっきりしていて、強い日射しと暑さによってその存在は明確だった気がします。それが今年は、何時やって来たのかよく解らないまま夏となり、それがいつまで続くかもよく判らない季節となりました。

そんなはっきりしない残暑の続く日の日暮れ時、ふと見上げた空に、沈む日の光に輝く雲がありました。その輝くその雲を見たときに、なぜだか夏が終わったことを知りました。
なぜだか判りませんが、見上げた空には夏の終わりが刻まれていました。


夏の終わりが刻み込まれた空を見上げて、今年も夏という時間が確かにあったことを実感しました。
夏の終わりの一瞬が刻まれた空見上げるうちに、雲と時とが流れて行きました。

ゆく夏


ページトップ by かわうそ@暦 (PV since 2008.7.8) Powered by HL-imgdiary Ver.3.00