日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
【人の品性はその読む書物によって判ずることができる】
書物が人格に与える影響を指摘して、品性を卑しくするような読書をしては
ならないという戒め。
スマイルズの『セルフ・ヘルプ』の言葉です。
『セルフ・ヘルプ』は現在は『自助論』と訳されていますが、古くは『西国
立志編』と訳されていました。西国立志編は明治時代の多くの青年達を発憤
させた書物とか。
スマイルズの『セルフ・ヘルプ』と聞いて自助論のことと思うか、西国立志
編のことと思うかで年代が判ります。私は自助論の世代。
最初に読んだのは、まだ「青年」という言葉ぴったりの時代でしたが、その
ときの感想はと言えば、
あたりまえのことばかり書いてあるな
と言うものだったと記憶しています。
そして、最初に読んだ頃の年齢の 2倍となって読み返してみると、別の本か
と思うほど印象が違っていました。
多分現在は、「あたりまえのことをあたりまえに行うこと」がどれだけ大変
か、いくらかは判るようになって来たからでしょうか。
読み進めて【人の品性はその読む書物によって・・・】に至り、首を巡らせ
て自分の周囲に並んだ本棚を眺めました。そして、人には絶対この本棚を見
せないことにしようと決意しました。
ああ、自助論を初めて読んだあのときに、この言葉を肝に銘じて品性を磨い
ておくべきだった。今から磨いても多少は光るかもしれないので、今度はこ
の言葉を忘れないようにメモしておこうっと。
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