こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【逃げ水】(にげみず)
 蜃気楼しんきろうの一種。
 1.草原などで遠くに水があるように見え、近づくと逃げてしまう幻の水。
   古く武蔵野の名物と伝えられた。春の季語。

   夫木和歌抄26
  「東路にありといふなる逃げ水の逃げ隠れても世を過すかな」

 2.強い日差しで、鋪装道路の前方に水たまりがあるようで、近づくとまた
   遠のいて見える現象。
 《広辞苑》より

 草原で逃げ水が出来るのかとこの説明を読みながら、想像を巡らしてみまし
 たが、体験が無いと情景を思い浮かべるのは難しいですね。本当に起こるの
 かな。

 思い浮かばなかったと言えば、この逃げ水が春の季語だと言うことも、想像
 の外にあって思い浮かびませんでした。
 絶対夏の言葉だと思っていましたから。

 私にとっての逃げ水は2の意味の、アスファルト上に流れる水。揺らめく陽
 炎の向こうに近付けば逃げてしまう水のことです。
 間もなく処暑という時期ですが、昨日もまた道路の上に大量の逃げ水を見ま
 した。

 昼下がりのランニング時間、「あの水のあるところまで」とアスファルトの
 道の上に見える逃げ水を見ながら考えました。
 どこまでも逃げて行く逃げ水をおって、せっせと走りましたが、もちろん追
 いつくことは出来ず、流れ出たのは自分の汗ばかり。
 無理だとは判っていても、

  あの逃げ水を捕まえてみたい

 夏の日射しの下で、そんなことを考えたことはありませんか?


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