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【草の花】(くさの はな)
 数々の野草の花。
 特に、秋咲く花をいい、可憐で小さい花が多く、「千草の花」といわれるほ
 ど種類も多い。秋の季語。    《広辞苑》


 道ばたや野原に咲く草花を総称して草の花と言います。
 春にしろ夏にしろ、草の花は咲きますが、ことさらに「草の花」と言うとき
 には秋の言葉となる辺りは、一年を通して目にすることが出来る月を、特別
 に「月」として採り上げるときに秋の月を意味することに似ています。

 花の季節というと、春と秋が思い浮かびますが、頭に浮かぶイメージは、春
 と秋では大分違います。春の花と言う言葉からは華やかでうきうきしたイメ
 ージが、秋の花という言葉からはしっとりと落ち着いたイメージが私には浮
 かんできます。

 どうしてこう違うのかなと自分のイメージを点検してみると、春と秋の花の
 差はどうやら、花と草の花の違いのようです。
 春の花は、まず「花」が浮かぶのですが、秋の花と言うと最初に浮かぶのは
 花ではなくて「草」。花はその草草の間に咲くものとして、草の後からやっ
 て来るように思えます。皆さんはどう思いますか?

 草の花はまた、千草(ちぐさ)の花とも百草(ひゃくそう・ももくさ))の
 花とも呼ばれ、小さく色も目立たないものが多く、それ故人の目にとめられ
 ることも少ない花。その目立たない花が楚々と咲く繊細な美しさ、野趣が愛
 されて「草の花」という特別な言葉となったのではないでしょうか。

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