日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
【見識】(けんしき)
1.物事の本質を見通す、すぐれた判断力。
また、ある物事についてのしっかりした考え、見方。識見。「―のある人」
2.気位。「―が高い」
知識とか、見識で使う「識」は知るとか、分別すると言った意味があります。
今回取り上げた見識もまた、そうした「識」の使われ方の例です。
「見識」と並べて比較される言葉に「知識」があります。
知識は単に知っていることに過ぎませんが、見識となるとその人の物事に対
する見方が加わりますから、同じ事柄についても人によって違った「見識」
が生まれます。一つの事柄をどのように見ているのかを見れば、その人が物
事をどのように捉える人物であるかを知る手がかりなります。
つまらない見方ばかりしていると、その人物は見識の無い人物と見られるよ
うになります。恐い恐い。
この人生、人間生活とはどういうものであるか、或いはどういう風に生
くべきであるか、というような思慮・分別・判断というようなものは、
単なる知識では出来ない。そういう識を「見識」という。
(中略)
見識というものは、本当に学問、先哲・先賢の学問をしないと、出て来
ない。
《安岡正篤 一日一言より》
国の大臣とまで呼ばれるような立場の人にはこの見識の高さがあって当たり
前なのですが、昨今はこの当たり前がなかなか通用しなくなっているようで
す。先週、頭を抱えたくなるような馬鹿な話を連発した某大臣などの有様を
見るにつけ、今は大臣たる資格に「見識の高さ」という項目は存在しないの
だな感じます。
今の大臣の資格に「見識」は不要だとはわかりますが、ではいったい何があ
れば大臣たる資格があるのかは、件の大臣を見る限りではさっぱりわかりま
せん。もしかしたら、くじ引きで決めているだけだったりして?
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