日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【市に虎あり】(いちに とらあり)
[戦国策魏策](虎が市にいるはずはないとわかっていても、そう主張する
者が大勢いれば、ついには信じてしまう意)事実無根の風説も、言う人が多
ければ遂には人をまどわすに至るというたとえ。
「三人市虎(しこ)を成す」とも。
《広辞苑・第六版》
あり得ない話でも、何度も繰り返し見たり聞いたりすれば、次第に「本当?」
と思ってしまうことが確かにあります。
面と向かって聞いた話なら、話している人の「信用度」というものを加味し
て、真偽の判定が可能ですから、まだましなのですが、最近はインターネッ
ト上に様々な情報が氾濫し、ネット特有の匿名性もあって真偽の定かでない
情報が満ちあふれています。
うわさ話のレベルならいいのですが、文章になると何となく説得力が有るよ
うな気がしてしまいがちですが、話の出所をたどってみると次第に怪しげな
ものとなり、結局は「根も葉もない話」ということが多々あります。
そうした根も葉もない話は、それを始めた人には当然責任が有るのですが、
それをまた伝達することもまた、風説の流布に協力する行為です。根も葉も
ない話は、それを見極め、これを人に伝えないと言った良識的な行動を一人
一人がとることが肝心のようです。
インターネットは、情報の宝庫になる可能性も有りますが、
市に虎あり
という話の宝庫であることもまた、使う側として忘れてはいけません。
そして私たち一人一人が、「市に虎あり」と言う話に荷担してしまう可能性
も有ることも忘れてはいけません。
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