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【鶏肋】(けいろく)
 1.[後漢書楊修伝「夫鶏肋、食之則無所得、棄之則如可惜」]鶏のあばらぼ
  ね。(少しは肉があるので捨てるには忍びないの意から)大して役に立た
  ないが捨てるに惜しいもの。
 2.[晋書劉伶伝「鶏肋不足以安尊挙」]体の弱小なことのたとえ。

 たまには片付けないとなと思い立って、部屋の掃除を始めました。
 混乱した物をあるべき所に移動して、不要と思われる物を選別してと作業を
 続けるとどんどん不要な物が増えてきました。
 いつの間にかガラクタコレクターになっていた様子。

 ガラクタの中には今まで使ってきた何台かのコンピュータから出てきたパー
 ツの数々も。
 メモリーだったり、内蔵型のハードディスクだったり、電源部だったりと、
 どこにあったのかと思うくらい出てきます。

 使おうと思えば使える物なので棄てるには惜しい気がします。
 しかし、かといって何に使うかと考えると、その多くは今から見ると時代遅
 れの規格でわざわざ使ってもいい事があるとも思えません。使えるのになん
 だかもったいないなと思いながらも結局は棄てざるを得ない。こんな時につ
 ぶやく言葉としてぴったり来るのが

  鶏肋

 この言葉は三国志に登場するものです。
 劉備が漢中の地を奪って漢中王を名乗った事に怒った曹操が漢中を攻めます
 が、劉備軍の反撃にあって苦戦。このまま戦いを続けるべきか、撤退するべ
 きか迷った曹操がつぶやいたのがこの言葉だとされます。

 曹操がこの言葉をつぶやくのを傍らで聞いた部下の楊修は、曹操が撤退を考
 えたのだとこの言葉を解して、自分の軍に撤退準備を始めさせたというのが
 その出典での話。
 なぜ撤退とわかるのですかと部下に聞かれた楊修は、鶏肋はなめればまだ味
 がするので棄てがたい気もするが、結局は棄てるしかない。曹操にとって今
 の漢中の地がこの鶏肋なのだから、結局はこれを棄てて撤退するという事だ
 と説明しています。

 楊修は曹操をして知恵の差三十里と言わしめた人物です。ただし、この鶏肋
 の故事がもとで曹操の怒りを買って処刑されてしまいます。知恵が回りすぎ
 るのも危険なんですね。

 さあ、目の前のガラクタ、惜しい気はしますが私も「鶏肋」とつぶやいてま
 とめて棄ててしまう事にします。これで私の部屋もちょっとはすっきりする
 かな?

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