日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
【ブログ】
ブログ (Blog) とは、狭義にはWorld Wide Web上のウェブページの URLとと
もに覚え書きや論評などを加えログ(記録)しているウェブサイトの一種で
ある。「WebをLogする」という意味でWeblog(ウェブログ)と名付けられ、
それが略されてBlog(ブログ)と呼ばれるようになった。
《ウィキペディア (2008.08.08)》
本日は、日刊☆こよみのページのコトノハコーナーとしては異色の言葉を取
り上げてみました。
最初に引用したウィキペディアの記述は、本来のWeblogについてのものとし
てはそのとおりでしょうが、現在日本で広く用いられる「ブログ」という言
葉の意味とは違っています。
ブログが Blog → ブログ と変化する間にその意味自体も本来のものから、
日本独特のものに変わってしまったようです。
元々のBlogは、Web サイトの中でニュース性の高い記事や、特定のテーマの
多数のサイトから記事を集め、比較し、論評を加えるといったものでした。
いわば、インターネット上に公開された新聞のスクラップブックのようなも
のでした。
しっかりした視点を持って作られたスクラップブックはそれ自体が大変貴重
な情報源となります。また複数の情報源を使ってこれを横断的に眺めること
で特定のマスメディアの意見に偏しない情報源としての価値もありました。
ところが、Blogの
書きたいのは記事のそのものであり、HTMLなどを意識せず簡単に記事を
作成・更新出来るシステムが必要
という要請からBlogger、Movable Type などのブログシステムが生まれると、
「書きたい記事があるから簡単に記事の作成・更新が出来るもの」の前半が
消えて、「作成・更新が簡単」だけが残って、
簡単に記事の作成・更新が出来るようだから一つブログを作ってみようか。
特別な記事は書けないので、では日記でも書いてみようか
となって、現在の日本でいうところの「ブログ」が生まれたようです。
簡単に作れるブログ人気が日本で高いことは、全世界のブログ更新量の 1/3
以上が日本(世界一です)のものとなっていることからも知ることが出来ま
す。
◇情報源としてのBlogとブログ
元々のBlogは速報性もあり、良質なスクラップブックがそうであるように、
情報源の質としても高かったため検索エンジンなどではBlogの記事の評価は
他のWeb サイトの記事より高めに設定されていたようです。
ところが、日本の「ブログ」のようにそのほとんどが単なる個人日記となっ
てしまいうと「ブログには有用な情報がない(少ない)」、とその記事の評
価が逆転してしまいます。とある検索エンジンには、検索結果からブログを
排除するというオプションまでつけられるようになりましたが、これなどは
評価逆転の現れだと思われます。
ブログは新しい言葉ですから、これからも少しずつ意味は変化すると思いま
すが、願わくば「ましな方向に変化」していってほしいと思います。そのた
めにはまず「ブログ」そのものがましな方向に変化しないといけないですが。
◇個人的な体験
近頃、Web サイトを開いていますというと、
ブログをなさってるんですか
といわれるようになりました。そのたびに意固地な私は
「いえ違います。Web サイトです。」
と訂正します。
Web こよみのページを「ブログ」と一緒にされるのはなんだか嫌なんです。
ちょっと、鬱屈したものがありますかね?
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