日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【空蝉】(うつせみ)
(「現人(うつせみ)」に「空蝉」の字を当てた結果、平安時代以降にできた
語)
1.蝉のぬけがら。夏の季語。古今和歌集哀傷「空蝉は殻を見つつも慰めつ」
2.転じて、蝉。後撰和歌集夏「空蝉の声聞くからに物ぞ思ふ」
3.魂がぬけた虚脱状態の身。新内、藤葛恋柵「身は空蝉の心地して」
4.源氏物語の巻名。また、その女主人公の名。伊予介の妻。源氏に言い寄ら
れるが、その身分や立場のゆえに悩む。
夫の死後は尼となり、やがて二条院に引き取られる。
これを書いているのは、8/22。
残暑も止んで「秋」という言葉がしっくり来る頃になりました。
喘ぐような暑さの日々も去ってしまうと、なんだか辛かったはずの暑い夏の
日々が懐かしいような、夏が終わることが惜しいような気がしてきます。
夏の去るこんな時期に草の葉の陰や、木の葉の裏、街路樹の幹などにしがみ
ついたままの蝉のぬけがらが見つかります。
長い時間地中で夏を待ち、夏の訪れとともに羽化して、そしておそらくはこ
の地上からは姿を消してしまっているだろう蝉の、その一生の記憶が結晶し
たかのように、蝉の消えた地上に空蝉だけが残っています。
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