日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【虫時雨】(むししぐれ)
多くの虫が鳴き立てるのを時雨の音にたとえていう語。秋の季語。
《広辞苑・第五版》
時雨とは初冬に降る雨。
さっと降っては止み、また降っては止みと繰り返す雨のことです。
このさっと降っては止む雨のように聞こえてはふと止み、止んではまた聞こ
える虫の音の様を虫時雨と呼びます。虫の音が聞こえる季節は様々ですが、
他の音があまり聞こえない時期だからでしょうか、
虫の音
と聞けば秋が思いおこされます。
秋以外の季節に鳴く虫として思い出されるのは夏の蝉。
そう言えば蝉の声もまた「時雨」の言葉を使って蝉時雨と言うことが有ります。
時雨・蝉時雨・虫時雨
と「時雨」の付く言葉を並べて見ると、その共通点は降っては不意に止んで、
また降り出すというもの以外にもあるような気がします。
その共通点とは皆「浸み込むもの」だと言うことです。
時雨が降ればその水が地面にしみ込んでゆくように、蝉時雨の音も虫時雨の
音もまた、ただ耳で聞く音だけでなく周囲の様々なものにしみ込んでゆくよ
うに感じます。
時雨が降る毎に冬が深まってゆくように、虫時雨が聞こえる毎に、虫時雨が
身に回りのあらゆるところに浸み込んでゆく毎に、秋もその深さを増してゆ
くようです。
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