日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【年惜しむ】(としおしむ)
年末に、過ぎ行く年を惜しむ。冬の季語。
《広辞苑・第五版》
今年も残すところあとわずか。
いろいろあった一年がもう数日で終わるとなると、なぜか終わるのが惜しい
ような、寂しいような気持ちに捕らえられてしまいます。
この「年惜しむ」の感覚は日頃使っている日用品が古くなって、棄てなくて
はならないときに感じる寂しさに似ています。
もう古くて使えない、棄てるしかないとは判っているのに、いざ棄ててしま
う段になると一抹の寂しさを感じるあの感覚です。
棄ててしまう品を使って暮らした日々の思い出も棄ててしまうように思えて、
それが寂しさとなって感じられるようです。
未練だと言ってしまえばそれまでですが、良いことばかりではなかったとし
ても、良いこと悪いことの全ての中に自分がいたと思えば、その一年がただ
消えて行くと考えると寂しい思いに囚われます。
一日一日が過去のものとなって去ってゆくのは年の終わりに限ったことでは
無いのですが、そんなあたりまえのことが特別な意味を持つもののように感
じられてしまのが年の瀬なのかも知れません。
今年もいよいよあと 4日。
年惜しむ感覚を噛みしめつつ、新しい年を迎える歓びも感じたいと思ってい
ます。
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