日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【幻日】(げんじつ)
太陽の両側にあらわれる光輝の強い点。
空中に浮ぶ氷晶による光の屈折でおこる暈かさの一種。
白色または薄い色彩を帯びる。
《広辞苑・第五版》
晩秋から早春の頃まで、上空の大気が冷えてその中の水蒸気が凝結して細か
な氷の結晶、氷晶となることがあります。
この氷晶は、その断面は概ね六角形になります。
三角形や、六角形といったガラスに光を当てると白色光が七色の光にわかれ
て見えたり、光が射した方向とは異なる向きからその光が見えることが有り
ます。どちらも光の屈折現象がおこす悪戯です。
空の上で出来た氷の結晶、氷晶もこのガラスと同じようなもの。氷晶に光が
射し込むと、ガラスの場合に見られると同じように様々な光の屈折現象を見
せてくれます。
「幻日」は、氷晶を通過する太陽の光が屈折現象によって作り出だす幻の太
陽で、太陽の左右に並んで出来るものです。
昨日(2009/01/27)の夕方、日暮れまで間もない頃に西の空に目をやると、
太陽に向かってその左側に、太陽と並んだぼんやりした光が見えました。
太陽からの距離は、角度にして22°。
太陽に近い側はほんのりと赤く、外に行くに従って黄色、青色、紫色と色を
変えていました。
注意して見ていれば幻日は、冬の間に何度か見ることが出来る現象で、そん
なに特別な現象では有りませんが淡い光だからでしょうか、見過ごされがち
で、幻日の話をしても
そんなの見たこと無い
と言う人が大部分です。
そこに有っても気付く人が少ないので幻の日(太陽)なのかもしれません。
昨日は、太陽を挟んで反対側にも「幻日」がないかと探してみましたが、こ
ちらは残念ながら見つけることが出来ませんでした。
幻日を見つけてからは、それがいつ消えてしまうのかが気になって、日が沈
むまでずっと太陽と幻日を眺めていました。
幻日は太陽が西の山陰に隠れてしまうまで、ぼんやりと光りながら、赤
い夕日と並んでいました。
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