日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【啓蟄】(けいちつ)
(蟄虫、すなわち冬ごもりの虫がはい出る意)
二十四節気の一。太陽の黄経が 345度の時で、 2月の節(せつ)。
太陽暦の3月6日頃に当る。驚蟄。春の季語。
《広辞苑・第五版》
日刊☆こよみのページにも度々登場する二十四節気の一つ。
今年(2009年)は 3/5に節入りとなりました。
「啓」は開くという意味があり、「蟄」は虫が土中に隠れること、閉じこも
ることという意味がありますから、二つ組み合わさって土中に閉じこもって
いた虫がその穴の口を開いて出てくるという意味になります。
土中の虫が冬眠から覚める頃とありますが、この時期に目を覚ますのは何も
虫たちばかりではありません。
蛙や蛇や熊たちも目を覚ます頃です。
このことから、この季節を表す季語には「蛇穴を出ず」「熊穴を出ず」とい
うものもあります。
まだこの春には蛇の姿を見ていませんが、蛙は田んぼで盛んに鳴いています
から、確かに冬眠していた様々な生き物が目覚める季節となったようです。
◇虫出しの雷
春の始めの啓蟄の頃には大気が不安定になって、時に雷鳴が轟くことがあり
ます。この春先の雷のことを「虫出しの雷(むしいだしの らい)」と呼び
ます。冬眠している虫に春の訪れを告げ、早く起きなさいと知らせる自然の
目覚まし時計です。
皆さんの住む街には、春を告げるこの目覚まし時計の音は届きましたか?
◇日本の「啓蟄」、中国の「驚蟄」
二十四節気は中国で生まれて、それがそのまま日本に輸入されて使い続けら
れてきたものですので、その言葉も文字も同じなのですが、唯一この啓蟄だ
けは使われる文字が異なります。現在の中国では「驚蟄」と言う文字が使わ
れています。
今では啓蟄と驚蟄と言うように異なった文字を使うようになっていますが、
元々は中国でも日本と同じく啓蟄の文字を使っていました。現在中国で使わ
れている驚蟄は、漢王朝の六代皇帝景帝の諱(いみな)の「啓」を避けるた
めに意味の近い「驚」に置き換えられたものです。
(こちらの記事もどうぞ → http://koyomi8.com/doc/mlwa/200803060.htm )
「啓蟄」という言葉はその生まれ故郷の中国では当初の姿を失ってしまいま
したが、海を渡った日本では今も春を告げる現役の言葉として生きています。
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