日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【朧】(おぼろ)
1.はっきりしないさま。ほのかなさま。薄く曇るさま。ぼんやり。ほんのり。
朦朧(もうろう)。春の季語。
2.エビ・タイ・ヒラメなどの肉をすりつぶし味をつけて炒った食品。でんぶ。
3.「おぼろこぶ(朧昆布)」の略。
4.「おぼろどうふ(朧豆腐)」の略。
5.「おぼろまんじゅう(朧饅頭)」の略。
《広辞苑・第五版(用例は省略)》
「朧」といえば、朧月(おぼろづき)とか朧夜(おぼろよ)という使い方が
浮かびます。いずれも夜の情景です。また朧朧(ろうろう)と言えば、ぼん
やりと明るいといった様子を表す言葉。
明るいといってもそれは昼の明るさではなく、夕暮れ後の仄かに残った明る
さという印象を受ける言葉です。
こんなぼんやりとした光、ほんのりとした明かるさを表す「朧」という言葉
は、夏でも秋でも冬でもなく、春に合う言葉のようです。
霞み、朧と言えばそれだけで春が連想できますが、これを春の霧、春の夜の
霧と言い換えられたら興ざめしてしまいます。朧と言う言葉は一つの意味を
伝えるだけでなく、その言葉の意味の周囲の情景まで伝えてくれる言葉です。
それはそうと、「朧」の項目の広辞苑の説明、最初のもの以外はみんな食べ
物ばかりが並んでいます。広辞苑を編集した諸氏は意外に食いしん坊?
表に出ない編集諸氏の姿が朧気に浮かんだ気がします。
これはまあ、余計な話でしたね。
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