日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【蜩】(ひぐらし)
セミの一種。全長約 5センチメートル。全体は栗褐色で緑色および黒色の斑
紋が多い。雄の腹部は大きく、薄く半透明で、共鳴器となる。夏から秋にか
け、夜明けや日暮に、高く美しい声で「かなかな」と鳴く。
カナカナ。秋の季語。万葉集10「夕影に来鳴く蜩」
《広辞苑・第五版》
日刊☆こよみのページはもっぱらその日の朝に記事を書いています。
今日のコトノハもまた然り。
蜩の声は夕暮れに聞くものという思いが強かったのですが、最近はこの朝の
記事を書く時間に聞くことが増えてきました。
暁方(あけがた)に鳴く蜩を呼ぶ暁蜩(あけひぐらし)という言葉があるそ
うですが、近頃はその暁蜩の声を聞くことが増えてきました。
まだ日中は暑い日が続いていますが、蜩の声を聞く朝夕には涼しい風が吹く
心地よい時間が拡がり始めています。
「暑いですね」という挨拶の言葉がいつの間にか「朝夕は涼しくなりました
ね」という言葉に変わり始めました。
蜩の声を聞くと去ってゆく夏の後ろ姿が見える気がします。
明日も明後日も、暁蜩の声を聞きながら、去りゆく夏の後ろ姿を眺めること
と思いますが、後どのくらいその夏の背が見続けられるでしょうか。
あと半月もすれば日刊☆こよみのページの記事を書く朝に、暁蜩の声を聞く
ことも無くなって、夏の背中もすっかり消えて、秋一色となっていることで
しょう。
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