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【木に縁りて魚を求む】 (きによりて うおをもとむ)
 [孟子梁恵王上]方法を誤っては、事は成就しないことにいう。
   《広辞苑・第五版》

 「木に縁りて魚を求む」は、木に登って魚をとるといった意味。
 目的にあわない方法ではいくら頑張ったところで目的を果たせるはずがない
 ということです。あまりにあたりまえのことなので、

  そんな馬鹿なことをする者がいるはずないじゃないか

 と思えますが、現実には案外こうした馬鹿なことが沢山ある気がします。

 本日(2009/09/21)は秋の連休(「シルバーウィーク」という呼び名が定着
 したようです)の 3日目。明日は秋には数年に一度しか出現しない珍しい国
 民の祝日が登場する最初の日。一部ではちょっと話題になっています。

 しかし、その一方で影が薄くなったものもあります。「敬老の日」です。
 国民の祝日に関する法律の改正(俗に「ハッピーマンデー法」などと呼ばれ
 る改正です)で2003年からそれまでの9/15という固定した日付から、 9月の
 第 3月曜日に移動した敬老の日。今日はその「敬老の日」なのですが、シル
 バーウィークの大波に呑み込まれてしまって、存在感が薄・・・。

 休日を増やす、あるいは連休となるように休日の日付を変更することで「経
 済効果」があるとかで、祝日の数や日付をいじり回した結果、祝日自体の影
 が薄らいでしまったように思えますがいかが?

 ハッピーマンデー法は、「経済効果」を狙った改正だと考えられますので、
 その意味では狙いどおりなのでしょうが、そのために祝日の意味が薄らぐよ
 うになってしまっては、

 『自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよ
  き社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、
  感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。』

 と第一条でその意義を謳った「国民の祝日に関する法律」の改正としては、
 木に縁りて魚を求めた改正だとそしられてもしかたがないのでは無いかと思
 えます。
 連休さえ増えればそれで、日本国民の美しい風習は育つのでしょうか?

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