日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【あかまんま】(赤飯)
イヌタデの別称。あかのまんま。
《広辞苑・第五版》
「イヌタデの別称」とありますので、広辞苑でさらに本名の「イヌタデ」を
引いてみると、
【いぬたで】(犬蓼)
タデ科の一年草。山野に普通で、高さ約30センチメートル。
葉の基部の鞘状の托葉が茎を囲む。夏から秋、葉腋と茎頂に紫紅色の小花
が穂をなす。アカマンマ。アカノマンマ。「犬蓼の花」は秋の季語。
とあります。イメージはわきましたか?
秋になると田んぼの畦や野原、道ばたとどこででもよく見かける植物ですの
で、おそらく誰でも目にしたことがあると思います。
「きれい」というより「かわいらしい」という言葉が似合うあかまんまです。
粒々の赤い花をこそげ落とすと、その粒々が赤飯の赤い米の粒のように見る
ことから、子供のままごと遊びの食卓では、めでたい赤飯として扱われるあ
の草ですと云えば、ああなるほどと、うなずいてくださる方も多いのでは。
今でこそ、どこででも見かける日本の野草の一つですが、このあかまんまこ
とイヌタデは有史前に海を渡って渡来した植物なのだそうです(こうした植
物を「史前帰化植物」と呼ぶそうです)。昔々に日本には無かったんですね。
おそらく、日本に稲が渡来しときに、稲に混じってちゃっかりこのあかまん
まの種も日本にやってきたのだろうと考えられています。
今でもこの植物が深い山中などでより、人間の住む場所の近く、田んぼのあ
るような場所に多く見られるのは、この草がこうした来歴を持つ植物だから
なのでしょう。
遙かな昔、稲穂とともに海を渡ってやってきたあかまんまは、ままごと遊び
の中で赤い米の飯、赤飯の代用として親しまれています。
稲穂とともに初めて日本にやってきた日から二千年近い歳月を、あかまんま
は稲と共に生きて来たわけです。
あかまんまは、これからも一緒に海を渡った稲とともに、日本の秋を彩る草
であり続けてくれることでしょう。
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