日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【春の七草】
正月 7日に摘み採って七草粥に入れる若菜。芹(せり)・薺(なずな)・御
形(ごぎょう)・はこべ・仏座(ほとけのざ)・菘(すずな)・蘿蔔(すず
しろ)の 7種。 ⇔ 秋の七草
《広辞苑・第六版》
間もなく正月七日は五節供の最初、人日の節供です。
人日の節供の朝には七種類の若菜を炊き込んだ粥(七種粥)を作り、食する
という伝統が有り、このことから人日の節供を七草(七種)の節供とも呼ぶ
ようになりました。
この朝に食べる七種粥は万病を払う効能があると考えられてきました。
この日に若菜を食するという行事は中国の六世紀に書かれた荊楚歳時記にも
記載されており、これが日本に伝えられたものと考えられます。
正月料理で疲れた胃腸を休めるとか、冬の間不足しがちなビタミン等を補給
するためであるとかという現実的な効能も有ってか、現代まで続いています。
七草粥に入れる若菜は初めから広辞苑の説明に記された七種と決まっていた
わけではありませんでしたが、室町時代頃にはほぼ現在の七種に収斂したよ
うです。
七草のうち、すずな(かぶ)とすずしろ(大根)以外は、野草といって良い
もので、晩冬から早春にはごく普通に野原や田んぼ等で手に入るものでした。
ただし、現在の新暦の正月では少々時期が早すぎるため、これらの野草も七
草粥用に栽培されるようになっています。
時期だけでなく都市部ではこうした野草が生える野原や田んぼも無くなって
いますから、現代の七草は八百屋さんやスーパーの店頭に発見するものにな
ってしまっているでしょうか。
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