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【野分の旦】(のわきの あした)
 秋の暴風雨が過ぎ去った翌日の朝の様子。
 台風一過の朝の様子。

 野分(のわき、のわけ)は秋の嵐を表す言葉。今で云えば台風のことととら
 えることが出来るでしょう。
 お天気キャスターの草分けと云われる倉嶋厚さんの「季節の 366日話題事典」
 に「野分のあした」という言葉があり、今朝の様子を表すにはぴったりの言
 葉だと感じたので、採り上げてみました。

 今日は、2011/09/22。昨日は強い台風が日本列島をなぞるかのようにして通
 り過ぎて行きました。
 名古屋や東京などの大都市圏を台風が直撃したため、影響を受けた方の数は
 大変なものだったと思います。

 私の住んでいる場所でも、台風通過時には凄い雨と風で、仕事をしていたビ
 ルが風で揺れているのがはっきりと分かったほどで、乗り物酔いでもするか
 と思いました。
 そして一夜明けて今朝は抜けるような青い空が広がっています。

  野分のあしたこそおかしけれ

 徒然草にある言葉です。
 「おかし」は風情があるとか、美しく魅力があるという意味です。
 不安な嵐の一夜を過ごした後に青空の広がる朝(旦)を迎えれば、そんな朝
 の眺めは確かに美しく魅力に満ちたものです。
 そして、私も今朝「野分のあしたこそおかしけれ」という思いを感じていま
 す。

 ただ、目を地上に向けると、壊れた道路標識や街路樹の枝が散乱した道路が
 見えました。気持ちがよい朝ですが、後始末を考えるとちょっと暗澹とした
 思いがわかないではありません。

  旦(あした)をかしく 昼はきたなき 野分かな

 江戸の川柳にあるそうです(この川柳も前述の倉嶋さんの本ではじめて知り
 ました。倉嶋先生、ありがとう)が、そのとおりですね。

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