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【牡丹餅】(ぼたもち)
 1.(赤小豆餡をまぶしたところが牡丹の花に似るからいう)
  (→)「はぎのもち」に同じ。
  誹風柳多留16「牡丹餅をこわごわ上戸一つくひ」。「棚から牡丹餅」
 2.女の顔の円く大きく醜いもの。
 3.円くて大きなもののたとえ。
   《広辞苑・第六版》

 彼岸の頃になると、懐かしくなるのが牡丹餅、御萩(萩餅)。
 赤い色には邪気を祓い、災難を遠ざける効果が有るとされます。赤い小豆で
 作られた餡をたっぷり絡めた牡丹餅、御萩には災難から身を守る効用がある
 ある、ありがたい食べ物なのです。

 牡丹餅については1712年頃に出版された和漢三才図会(わかんさんさいずえ)
 に、次のような説明が有ります。

  「牡丹餅および萩の花は形、色を持ってこれを名づく」

 ここで「萩の花」とあるのは、御萩の別名です。昔からこの名前で呼ばれて
 いたのですね。

 牡丹餅も御萩もどちらも同じものですが、その季節に咲く花に見立てて、春
 には牡丹餅、秋には御萩と使い分ける地域もあります。
 私は、季節によって区別する地域、あるいは区別する家に生まれたので春に
 はやはり牡丹餅と区別して呼びたい口です。

 私に春は牡丹餅、秋は御萩と教えてくれたのは母ですが、この区別を教えて
 くれた時に母は、

  春の牡丹餅は、牡丹の花のように大きめに作り、
  秋の御萩は、萩の花のように小振りに作るものだ。

 とも教えてくれました。さて、その真偽は?
 花のイメージということから牡丹餅にはこし餡を用い、御萩には粒餡を使う
 と、餡の種類を使い分けることもあるとか。

 お彼岸の牡丹餅、御萩は仏様へのお供えものですからまずはご先祖様へ。
 私たちはご先祖様へ差し上げた後、ご相伴にあずかることにしましょう。

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