【花冷え】(はなびえ) 桜の咲く頃に寒さがもどって冷え込むこと。 春の季語。 《広辞苑・第六版》 春は、冬の寒さと夏の暑さが入り交じり、せめぎ合いながら徐々に冬の割合 が減り、夏の割合が増えてゆく季節です。 そのせめぎ合い勝敗の行方もさすがに桜の花が咲く頃ともなれば、夏が冬を 圧倒しはじめる様子がはっきりと感じられるようになってきます。 夏の気が勝って暖かくなった風を感じながら、満開の花の下で花見。そう行 きたいところですね。 そんな時に「まだまだ私は頑張りますよ」とばかりに冬が寒さを連れて戻っ て来ることがあります。こうした桜の花の時期にぶり返す寒さを「花冷え」 と呼びます。 一度、暖かい陽射しや風になじんだ身には、花冷えと呼ばれるこのぶり返し の寒さは、身にしみることひとしおです。 一度は開いた桜の花も、「もう少し蕾のままでいればよかったかな」と後悔 しているかもしれません。日刊☆こよみのページ スクラップブック