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【暈】(かさ)
 〔天〕(halo)太陽または月の周囲に見える光の輪。
 光が、微細な氷の結晶から成る雲で反射・屈折を受ける結果生じる。
 広義には光冠をも含む。うん(暈)。光環。ハロー。
 「月に暈がかかる」
   《広辞苑・第六版》

 太陽や月の周りに、ほんのりと色づいた光の環が見えることがあります。
 この光の環のことを暈といいます。太陽や月の周りに出来る光の環なので、
 「光環(こうかん)」と呼ばれることもあります。

 この現象は、空の高いところに巻層雲などの氷の粒(氷晶)で出来た薄い雲
 がある場合に見られる現象です。
 時としてこの暈は大小二つ見えることがあります。この二つの暈はそれぞれ

  内暈(うちがさ) ・・・ 22度
  外暈(そとがさ) ・・・ 46度

 と呼ばれます。説明のついでに後ろに書き入れた角度は、それぞれの暈の見
 かけの半径の角度です。太陽や月を中心としてこの角度だけ離れた円弧を描
 くのが暈の特徴です。

 この暈は「ほんのりと色づいた」と書いたとおりよく見ると内側が赤、外側
 が青味を帯びて見えるはずです。このことから分かるとおり、暈は高層の雲
 の氷晶がプリズムの役割を果たし、太陽や月の光を屈折させることによって
 見える現象です。虹の仲間といってもよいでしょう。

◇月に雨笠日笠なし
 「つきにあまがさ ひがさなし」という諺があります。
 月に暈がかかると次の日には雨が降るという意味です。
 雨が降るから雨笠はいるが日笠はいらないということでしょう。

 太陽や月に暈は空の高いところに巻層雲などがある場合に出来ると書きまし
 た。こうした雲が現れるのは天気の崩れる前兆でもありますから、月に暈が
 かかって見えるなら翌日は雨というわけです。

 私も、「月に暈がかかったら明日は雨だ」と両親から教えられた憶えがあり
 ます。もっとも子供の頃にこの話を聞いたときには「月に暈」は「月に傘」
 だと単純に思っていましたから、

  お月様が傘をさした翌日は自分も傘をさすのか

 と単純に思っていました。
 ちなみに「暈」は「ぼかす」の意味(このとおり「ぼかす」とも読みます)
 で、子供の頃の私が想像したお月様の「傘」では無かったようです。

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