日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
【余花】(よか)
春におくれて咲く花。
特に初夏に咲くおそ咲きの桜。
夏の季語
《広辞苑・第六版》
今年は春先の寒さが長引き停滞していた桜前線ですが、ここ数日の暖かさで
ようやくといった感じに歩を進め、今(2012/04/21)は東北地方を北上中の
ようです。東北の方々の花見はこれからが本番ですね。
現在私の住んでいる神戸付近では、ほとんどの桜はその花の盛りを過ぎ、花
よりも緑の葉が目立つようになってきました。
一週間前には枝一杯に咲き誇っていた桜の花ですが、今はもう葉の陰からは
ずかしそうに顔をのぞかせる存在に変わってしまいました。
先週の週末には、遠くからでもはっきりと見えた桜の花ですが、今は若葉に
隠れてしまっています。
それでも桜の木の下から見上げると、のんびり屋の花が他の花の盛りの時期
に遅れて咲いている姿を楽しむことが出来ます。
葉っぱの影から顔をのぞかせるその姿はなんとなく、
「遅刻しました」
と、はずかしそうに、教室に入ってくる子のようです。
春眠暁を覚えず、桜の花にもついうっかり朝寝坊してしまったうっかり屋の
花があるのかもしれません。
自分の朝寝坊は困りものですが、花の朝寝坊なら大目に見てもよさそうです
ね。朝寝坊の余花のおかげで、もうしばらく春の風情を楽しませてもらうこ
とが出来そうです。
日刊☆こよみのページ スクラップブック