日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【草木塔】(そうもくとう)
切り倒した草や木の霊を鎮めるために立てた塔。
草木供養塔。
《広辞苑・第六版》
自然石に「草木塔」「草木供養塔」「山川草木悉皆成仏」などの文字が刻ま
れた供養塔が草木供養塔です。
山形県の米沢市を中心に約 170基の草木塔が見つかっているそうです。おそ
らく未発見のものもあるでしょうから、実際の草木塔の数はもう少し多いか
もしれません。
人間はいろいろなものを利用し、またいろいろなものの命を奪って生きてい
かざるを得ません。動きもせず、切り払っても悲鳴もあげない草木にも命が
あります。
草木塔は、人間が生きてゆくために刈り取ってしまった草や切り倒してしま
った木への感謝や、そうした草木を生み育てる自然への畏怖から建立された
供養塔なのでしょう。
現在確認されている最古の草木塔は、安永 9年(1780)に米沢市大字入田沢
に建立されたものだそうです。
安永 9年の米沢といえば、武士だけでなく、領内の民衆すべての教育に熱心
に取り組んだ名君、上杉鷹山公が藩主の時代です。
草木塔の建立が鷹山公の教化の結果なのか否か、
人々がどんな思いから草木塔を残したのか、
今となってははっきりしたことはわかりませんが、草木塔を残した人たちが
いたことを思い出すことによって、草や木への感謝や畏敬の心を今一度、思
い出すきっかけとしたいものです。
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