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【春は枝頭に在り】(はるは しとうに あり)

 暦は二月に変わりました。
 二月は大変寒い月ではありますが、二月に入れば早々に二十四節気の立春が
 めぐってきて、暦の上では春を迎えることになります。
 とはいえ、まだまだ花咲く春というには気が早いか?
 それでも、探せば春はどこかに見つかるかも知れません。

  終日、春を探したが春は見つからない
  アカザの杖をついて遠くまで歩き尽くしたというのに。
  歩き疲れて自宅に帰り、ふと庭先の梅の枝をとってみると
  枝先の梅の花は綻んでいた。探していた春はこんなところにあった。

 宋の戴益の「探春」という詩です。難しい文字が多くて打つのが大変なので
 原文は省略(・・・)。訳は私の意訳ですから、拙い点はご容赦願いたい。
 「春は枝頭に在り」は、この「探春」の最後に登場する言葉です。

  春在枝頭已十分 (春は枝頭に在りて已に十分)

 流石にこの部分は原文を示さないわけにはいきませんね。
 遠くまで出かけ、探し回っても見つけられなかった春が、自宅の庭の梅の枝
 先に在ったではないか。「已に十分」とありますから、枝先の梅の花は既に
 芳香を漂わせていたのかもしれません。

 春の訪れは特別なものでは在りません。
 どこにでも、春は訪れ、どこにでも春を見つけることが出来ます。
 ただ、気付きさえすれば。
 二月に入ったばかりですが、立春間近のこの時期になら、きっとどこかに春
 は来ているでしょう。

 今日は二月最初の土曜日。
 折角の土曜日ですから、身の回りに春の姿を探してみませんか?
 普段は見落としてしまいがちな場所で「已に十分」な春を見つけることが出
 来るかも知れません。

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