こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【二月は逃げて走る】
 二月という月は逃げるかのように早く過ぎてしまうものだ。
 正月が終わったばかりと思っているうちに、もう三月が目の前にきているこ
 とをいう。「二月は逃げて去る」ともいう。
   《成語林・初版》

 「一月はいぬる、二月は逃げる、三月は去る」といいます。
 月の名前と語呂を合わせて、日々の過ぎて行く早さを表した言葉です。

 うかうかと過ごしていると、あっという間に月日は過ぎてしまいます。まさ
 に「一月が行ってしまい、二月は逃げてしまい、三月も去ってしまう」わけ
 です。もっとも四月〜十二月も同じですけれど、この調子で全部の月を数え
 上げては、少々くどすぎるでしょうから、この程度に留めるのがよいのでし
 ょう。

 この言葉が生まれた時代は、太陰太陽暦であるいわゆる、旧暦が使われてい
 たことでしょうから、暦の一ヶ月の日数はどの月でも29日か30日で、二月も
 このどちらかの日数でしたから、ことさらに二月の日数が少ないわけではあ
 りません。「二月は逃げて走る」といっても、これはあくまでも、心理的に
 「短い」ということを表した言葉のはずです。

 心理的なものといえば、二月は行事が立て込み忙しい正月が終わって、ホッ
 とする月でしょうから、ついぼんやりと過ごしてしまうという要素も加わる
 のかもしれません。この辺は私の勝手な考えですけれど。

 さて、現在の(新暦の)カレンダーを見ると、二月は他のどの月よりも日数
 の少ない月です。
 日数的には二月も他の月と変わらなかった旧暦時代ですらも心理的(?)に
 は早く過ぎてしまうように感じる二月であれば、本当に他の月より短い新暦
 の二月は、どれほど早く逃げ去ってしまうのでしょう。

 一日一日を無為に過ごして、逃げ足の速い二月にまんまと逃げられてしまわ
 ないように、気を引き締めて過ごすことにしましょう。
 もちろん、二月以外の全ての月にもですけれど。
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