日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【豹変】(ひょうへん)
[易経革卦](豹の毛が抜け変わって、その斑文が鮮やかになることから)君
子が過ちを改めると面目を一新すること。また、自分の言動を明らかに一変
させること。今は、悪い方に変わるのをいうことが多い。
→君子は豹変す(「君子」成句)
《広辞苑・第六版》
君子(立派な人物)は、過ちを悟るとすぐにこれをあらため正しい道に復す
る。過ちから正しい道に立ち返る様子は、豹の毛皮が季節の変わり目で抜け
変わり、黄色と黒の斑点がくっきりと、鮮やかに生まれ変わる如くであると
いう意味から生まれた言葉です。
本来の意味からすると、過ちに気づけばすぐに行いをあらためるという大変
よい意味の言葉ですが、現在の使い方を見ると良い意味で使われることは希
です。
「○○大臣は態度を豹変させました」
といった報道があったとすると、何かの疑惑追及に対して開き直ったかのよ
うな印象をまず第一に受けます。その印象が誤りで、よく読んでみたら、そ
うではなくてよい意味であった、なんていうことは近年全くありませんね。
ちなみに君子よりさらに一段上、「大人」(たいじん。「オトナ」ではあり
ません)は、豹変よりさらにはっきりした変化ということで、「虎変」する
そうです。
本来の意味の「豹変」をする君子も、虎変するほどの「大人」も、近頃は、
野生の豹や虎以上に珍しい存在、絶滅危惧種になってしまているようです。
こうした珍しい(?)人物が絶滅してしまったら、本来の意味の豹変や虎変
という言葉も、絶滅してしまうのでしょうね。
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