日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
【桂秋】(けいしゅう)
木犀(もくせい)が咲く秋の季節。
また、陰暦8月の異称。
《広辞苑・第六版》
街に、金木犀の香りが漂う季節になりました。
金木犀は中国原産の樹ですが、古くから日本でも庭木として育てられた樹で
すから、橙黄色(金色?)の小さな花を沢山つけた金木犀の姿は、日本の秋
にも違和感なく溶け込んでいます。
金木犀は、案外強い樹なのか、街路樹や生け垣などにも利用されているため
東京の街中でも、金木犀の花を目にし、香りに気づく機会は多いです。
ただ、街路樹や生け垣に使われている金木犀は、無理矢理に枝を刈りそろえ
られていて、ちょっと可愛そう。
その点、時たま少々古びたお宅(失礼)の庭などで、自由に枝葉を延ばし、
こんもりとした樹姿となって、嬉しそうに沢山の花を咲かせている金木犀の
姿を目にすると、ほっとします。
中国では中秋節(旧暦八月十五日、中秋の名月の日。今年2015年は 9月27日
でした))には、木犀の花の香りをつけた桂花酒を飲むという風習があるの
だとか。
月には 500丈(1500メートルほど)もある桂(木犀)の大木がありこの木の
枝が刈られると月は欠け、枝が茂ると満ちるという伝説がありますから、中
秋の名月は、この桂の枝が茂り、金色の花が茂った枝を飾った姿ということ
なのでしょう。
中秋の名月を過ぎて、月はどんどん欠けてしまっています。月の桂の枝は大
分刈り込まれてしまっていることになります。
天上に浮かぶ月の木犀は盛りを過ぎてしまったことになりますが、地上の木
犀は元気一杯。
街を歩けばきっと、元気な金木犀の花の香りを愉しむことが出来ることでし
ょう。桂秋の季節はまだまだ続きます。
日刊☆こよみのページ スクラップブック