日刊☆こよみのページ スクラップブック
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【御祓箱】(おはらいばこ)
1.伊勢神宮から頒布される御祓の大麻(たいま)を入れてある箱。
江戸時代には、御師(おし)から諸国の信者へ年ごとにくばって来た。
2.(毎年新しいのが来て古いのは不用となるから、「祓い」に「払い」を
かけて)雇人を解雇すること。不用品を取り捨てること。御払箱。
《広辞苑・第六版》
「おはらいばこ」というと「御払箱」の方が先に出てきそうですが、正しく
はというか、元々は「御祓箱」の方です。
「御祓」とあるとおりで、本来は御祓いをしてもらって、その証として御札
や、祈祷に使う幣(ぬさ)を受け取ります。伊勢神宮からいただくこの御札
や幣は「大麻(たいま)」と呼ばれますが、この大麻を入れた箱が御祓箱で
す。
伊勢神宮に行けば、手に入りますが、旅といえば脚で歩くしかなかった時代
には伊勢まで旅するのは難しい。それなので、江戸の昔は大麻の方から、地
方に住む人々の方へやって来ました。
伊勢には、神宮から認められた御師(「おし」伊勢地方では「おんし」)と
いう祀官がいて、この御師が年末になると諸国の檀那(「だんな」。信徒の
こと)を巡って年の暮れの御祓いをしていました。そして御祓いをするとこ
の御祓箱に大麻を入れて檀那に渡したわけです。
御祓箱の中身は、大切な神宮の御札が入っているわけですから、もちろんそ
の日から一年間、この御祓い箱は神棚などに祀られ、大切に扱われます。
有り難いことです。
ですが、次の年になり、そしてその年の暮れとなると・・・再び御師が巡っ
てきて、祈祷を行い、そして新しい大麻の入った「御祓箱」を渡してくれま
す。こうなると、古い御祓い箱は「御払箱」になってしまうのです。
ここから、大切に扱われていても、その用が済んでしまうと不要な物とされ
て取り捨てられてしまうことを「おはらいばこ」というようになったのだと
か。
「最初は面白かったけど、もう飽きたから購読解除。ポイッ!」
という具合に、御払箱にされないように、日刊☆こよみのページは緊張感を
保って継続しなくっちゃ・・・。
御祓箱の話を書きながら、背筋に冷たい汗を感じる今朝のかわうそでした。
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