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【秋の空】
 1.秋の晴れて高く見える空。秋天。秋の季語。
 2.(曇ったり晴れたり定めないことから) 心の変りやすいことのたとえ。
  「男心と秋の空」
  《広辞苑・第六版》

 今日は立秋。暦の上の秋の始まりの日です。
 まだ、秋の入り口ですから空を見上げても秋の空ではなくて、夏の空が広
 がっていて、秋の空となるのは、もう少し先のことでしょうが、コトノハで
 は、現実より一足早く「秋の空」という言葉を取り上げてみます。

 「秋の空」という言葉を聞いて思い浮かぶのは、辞書 1のような当たり前の
 現実の秋の空の様子よりも 2の成語としての「秋の空」です(私だけ?)。
 辞書 2の説明ではその成語の用例は「男心と秋の空」。
 え、「女心」じゃないの?

◇秋の空は「男心」か「女心」か?
 私はこの成語は「女心と秋の空」だと思っていたのですが辞書の用例は「男
 心と秋の空」。私が間違えて覚えていたのでしょうか?

 【女心と秋の空】
  女性の男性に対する気持ちは、変わりやすい秋の空のようだということ。
 【男心と秋の空】
  男の女に対する情愛が移ろいやすいたとえ。
  (参考)「女心と秋の空」ということわざもあり、ともに異性に対する移
   りやすく変わりやすい気持ちをいったもので、どちらが最初かは不明。
   《成語林》

 うむ、「男心」も「女心」もどちらもあるようです。成語林ではどっちが先
 かは不明とありましたが、広辞苑で【女心と秋の空】を引くと、

 【女心と秋の空】
  男性に対する女性の心は、秋の空のように変わりやすいことのたとえ。
 古くあった「男心と秋の空」の「男」を「女」に置き換えたもの。
   《広辞苑・第六版》

 とありました。
 ああ、決定的。「男心」が先だったのか!
 (出典を示してほしかったな〜)

 広辞苑の説明を信ずれば「男心」の方が先だったようですが、結局男であろ
 うと女であろうと人の心は変わりやすいということですね。
 そして秋の空(天気)もまた変わりやすいということ。

 気象観測技術の向上により気象予報は年々高精度化しており、昔のように天
 気予報はあてにならないとは言われなくなりました。複雑な秋の空の様子も
 今ならかなり正しく予報出来るでしょうね。
 とすると、時代が変わっても予測できない変化を見せるものは、「男女」そ
 れぞれの心だけとなりますか?

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