日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■秋の日は釣瓶落とし・・・その2
昨日に引き続き「日の暮れが早い」とは? について考えます。
1.日没時刻が早くなること
2.地平線にかかる夕日地平線可にが沈むまでの時間が短いこと。
3.日没から、あたりが暗くなるまでの時間(薄明時間)が短いこと。
とこのうち1,2については昨日書いたとおりです(バンクナンバー参照)。
本日は3について。
2については沈む夕日を眺めて時間を計ると本当に春や秋の方が、夏や冬よ
り沈むのに要する時間が短い(約15%、20秒)と言いましたが、このわずか
の差より、現実的には3の日没から暗くなるまでの時間が短いことの方が、
実感としての「日の暮れるのが早い」という感覚に合致するのでは無いでし
ょうか。
この3を基準にして考えると、やはり秋の日の暮れは他の季節より早いです。
またしても論より証拠で、北緯35度付近で、春分〜冬至の二至二分の日の薄
明時間を計算してみます。
薄明とは、日没後(あるいは日出前)の薄明るい状態を言います。今回は日
没から常用薄明といわれる状態(大体、戸外で新聞が読めるくらいの明るさ)
が終わるまでの時間で比較してみます。その結果は、
春分の頃・・・25分10秒 (+0分15秒, + 1%)
夏至の頃・・・29分44秒 (+4分49秒, +19%)
秋分の頃・・・24分55秒
冬至の頃・・・28分07秒 (+3分12秒, +13%)
と秋分の頃が一番早く暗くなることが解ります(あくまでも計算値ですが)。
日の暮れが早いのはの「2」で説明した日が没するまでの時間が春・秋は、
夏・冬より短いのと元々の原因は同じ理由です。
ただ、「2」では無視可能だった均時差や大気差などが無視できなくなるの
で、春・秋、夏・冬それぞれに差が有ります。
この辺の話をすると大分「上級者編」になってしまいますので、今日のとこ
ろはそんなものかと聞き流してください。
さて、こうして計算上で「秋の日は釣瓶落とし」が本当だと確かめられまし
た。目出度し・・・。と言いながら
===>>> またしても明日の『その3』につづく。
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