日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■この字読めますか・・・『朏』
『朏』という文字、いきなり読めた人はどれだけいたでしょうか。自慢じゃ
ありませんが、私だってこんな「こよみのページ」なんてやっていなかった
ら絶対に読めない文字ですね。
朏 ・・・・ 【音】ヒ、ハイ 【訓】みかづき
と書かれてみると、なるほど漢字は意味を表す文字だなと膝を打ってしまい
ます。
月+出 = 朏
新月以降初めて見えるのが陰暦の三日目の月、つまり「みかづき」という意
味です。古字は「出+月」当文字と漢和辞典には書かれておりますが、残念
ながらそちらの文字のフォントはありませんでした。
旧暦の一月は朔(さく:新月)から始まりますが、朔の日の月は日食でもな
い限り肉眼では見えません。二日目もほとんどの場合はまだ月が見えないこ
とが多く、普通我々が夕空に発見する最初の月はこの三日月(朏)です。
計算で月の初めは解るけど、でも実際の月を見ないと本当に日付を間違えて
いないかななんて昔の人が考えたのか否か。
当時の暦その月(暦の月)に見える三日月の姿(傾き)を絵で表した「朏暦
(みかづきごよみ)」というようなものまで作られていた事実を考えると、
結構皆さん気にしていたようです。
今日は朔から数えて三日目。夕空にはどんな『朏』が見えるかなと考えつつ、
本日の『暦のこぼれ話』はこれまで。
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