日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■水星の日面経過(にちめんけいか)
本日は、星の話です。少々地味目ですが。
このメールマガジンをお読みの時間は何時でしょうか。
もし午前 9時11分より前なら、水星の日面経過が起こっています。それ以後
なら日面経過が有りました(終わりました)と言うことになります。
水星の日面経過とは、地球から見て太陽と水星が重なって(水星の方が近い)
見える現象です。月によって起こされる日食と似た現象ですが、違う点は見
かけの大きさが日食中の月に比べて、日面経過中の水星がうんと小さいこと。
月の見かけの直径は太陽と大体同じですが、今回の日面経過中の水星の見か
けの直径は太陽の 1/195。ほとんど 1/200です。あんパンについた胡麻粒み
たいなものです。
今回の日面経過は、
4時13分 (日面経過の始まり)
9時11分 (日面経過の終わり)
現象の継続時間は4時間58分と長いのですが、残念ながら日本ではその前半は
見えません(太陽も水星も、地平線の下で見えない)。
このメルマガをお読みの時間が終了時刻前であれば、太陽の表面に小さくて
丸い水星のシルエットが見えるはずです。もっとも水星が小さいので望遠鏡
を使わないと、確認できませんが。
水星の日面経過は数年に一度起こる珍しい天文現象です。最近の発生状況は、
1999/11/16 (日本では、一部のみ見える)
2003/05/07 ( 〃 、全部見える)
2006/11/09 ( 〃 、一部のみ見える)
2016/05/09 ( 〃 、見えない)
2019/11/11 ( 〃 、見えない)
2032/11/13 ( 〃 、全部見える)
日付は、現象の始まる日付。日本時です。
ここしばらくは比較的頻繁に起こっていましたが、次に起こるのは10年後。
日本で見られるのは26年後。
この現象は、水星の軌道の昇交点と降交点と呼ばれる日の前後で地球と水星
そして太陽が一直線になるときに起こります。
降交点側で起こる時は 5月、昇交点側で起こるのが11月。今回は昇交点側で
の現象です。
望遠鏡でないと確認出来ませんと書きましたが、望遠鏡で太陽を直接見るこ
とは大変危険なことなので、望遠鏡の操作に詳しい人がいる場合にのみ行っ
てください。
以上、本日は早朝の空で起こる星の話でした。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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