日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■虹隠れて見えず (小雪初候)
二十四節気を更に三分割したものに七十二候があります。
一年を72に分割していますから 1つはおよそ 5日。
季節を細かく表したと言えば確かにそうですが、 5日毎はあまりに短すぎ、
忙しすぎて二十四節気ほど定着しなかったようです。
忙しすぎて余り定着しなかったようだといいながら、本日は七十二候から。
虹隠れて見えず (二十四節気小雪 初候。七十二候五十八候)
「小雪」の初候ですから、11/22 からがこれに当たります。
同じ七十二候に「虹始めて見る」というのが清明の末候(4/15)にありますか
らこれと対になるものでしょう。
七十二候は中国の内陸部で生まれたもので、日本の風土とはギャップがある
ためか、日本に来てから大分書き換えられたのですが、今回の言葉は七十二
候が中国から渡ってきた時点で「虹蔵不見」と書かれていてほとんど変わっ
ていないた由緒正しい言葉。
この時期、内陸部では冬の間は滅多に雨の降らない中国ではいざ知らずまだ
まだ日本では虹は見えますね。
ちなみに「虹」は龍の仲間。その上雌雄の別があって虹は雄。雌の方は虹よ
り淡くぼんやりしたものをさして、「霓(げい)」と呼ぶそうです。
七十二候では虹が見えなくなると書かれたこの日、折からの時雨の雨粒が見
事な「虹と霓」を作っていました。内側のはっきりしたものが「虹」でその
外側にぼんやりと光っていたのが「霓」だとすれば。
虹と霓、二匹並んでうれしそうでしたね。
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