日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■年玉(としだま)
年が明けると、子供達の楽しみの一つは「お年玉」。
自分が子供の頃もそれは同じ。欲しい物がある時などは「お年玉を貯めて買
うんだ」と殊に期待したものです。
今は、これを与える側に回って、そうした子供達の期待の眼差しにさらされ
るようになりました。
◇年玉は「年魂(としだま)」
お年玉は年神から与えられる「年魂」のことだと考えられます。年越し行事
で迎え入れた年神から、新しい年を生き抜くための力を授けられる。これが
年魂だと考えられました。
◇年玉は餅
年玉は年魂と書きましたが、この年神の与える霊力の象徴は餅。命の元とし
て食べ物を与えられるというのはよく解る話です。餅はハレの日の代表的な
食べ物。神聖な食べ物と考えられています。
餅と言えば、正月には鏡餅を飾りますが、鏡餅は年神が宿るもの(依り代と
して)であり、かつ年神に供えられた神聖な食べ物でもあります。年玉の餅
自体もまた、地域によっては年神に一旦供えられ、年神からそのお下がりを
頂くと言うところもあるそうです。
そしてその神聖な食べ物である餅を丸めて「魂=玉」を作りこれを各家々で
年長な者が家族に配ったのがお年玉の始まり。
◇現代年玉事情
本来は、「有難い意味」の籠もったお年玉。でも現在は別の意味の「有難い」
ものとしての認識しかこれをもらう子供達には無いでしょうね。
いや、まだ「有難い」と思ってくれるならいいのですが、もらって当然とい
う子も。餅で済んだ昔の年玉が、親の立場からすると「有難い」のですがそ
んな訳にはいきませんよね。
さてさて、今年我が家の二人の子供達はいったいどれだけの「お年玉」を集
めることでしょうか。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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