日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■昼夜等分の日
「連載中」の九星の話をお休みして、本日は寄り道。
昼夜等分の日の話を致します。
日刊☆こよみのページの日出没データをごらんいただくと「昼時間」という
項目があります。東京での3/17の昼時間を見ると
3/17 昼時間 12時 0分 ・・・ 東京での計算値
とちょうど12時間です。昼時間が12時間ということは、夜の時間も12時間。
つまりこの日が、
昼夜等分の日
となります。地域によってこの「昼夜等分の日」は若干異なることがあるの
ですが、だいたい3/17〜18辺りでしょうか。
昔から、春分の日(または、秋分の日)は昼と夜の時間がちょうど同じにな
る日といわれますが、春分の日は今年は3/21。前述の3/17とは違います。
では、今年の春分の日、3/21の昼時間はいくらかというと、
3/21 昼時間 12時 9分 ・・・ 東京での計算値
です。夜の時間は、24時 - 12時 9分 = 11時51分。大分違いますね。
この日刊こよみのページをお読みの皆さんなら、きっとこの理由はご存じの
ことでしょうが、念のため書けばこれは「日出没の定義」の問題です。
現在の日出没の時刻の定義は、
太陽の上辺が地平線に接する瞬間
です。太陽中心ではなくて、太陽の上辺ですから、太陽の上の縁が地平線に
かかった瞬間に日の出となり、太陽の光の最後が地平線下に消える瞬間が日
没となります。
つまり、太陽中心が地平線にかかる瞬間より
日出は、太陽の半径分早い
日没は、 〃 遅い
ということになります。半分と半分で都合太陽 1個分、昼の方が夜より長く
なるように出来ています。
太陽 1個分の角度を地球が自転するのに要する時間は 2分間。日本付近では
地平線と赤道のなす角がだいたい55°程ですから、
2分 × sec(55°) ≒ 3.5分
と実際の日出没に要する時間の長さはこんな具合になります。
実際の日出没の計算には、地球の大気による浮き上がり現象(大気差といい
ます)なども考慮されるのでもっとこの時間は大きくなります。
もし仮に日出没が太陽中心が地平線にかかる瞬間で、地球に空気が無くて、
地球に山も谷もなくて、あなたの身長が 0cmだったとすると初めて、
春分の日は昼夜等分の日
ということになります。残念ながら地球には大気があるし、身長が 0cmとい
うことはありませんし、誰が決めたか日出没の瞬間の基準は太陽上辺だしと
いうことで、春分の日は昼夜等分の日では無くなってしまっています。
もうすぐ春分です。春分の日の昼と夜の時間の長さは話題になることがあり
ますので、こんな話を書いてみました。
春分の日の昼と夜の時間の長さが話題になった暁には、このメールマガジン
の記事を思い出して下さい。
ではまた次回をお楽しみに。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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