日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■メイストーム
急激に発達する温帯低気圧のことを「爆弾低気圧」と呼びます。
爆弾低気圧はその語感からも伝わるとおり、往々にして大きな被害を与える
気象現象です。
この爆弾低気圧の中で、五月の頃に発生するものを特に「メイストーム」と
呼びます。
爆弾低気圧とは、東京付近の緯度では一日に16ヘクトパスカル以上の中心気
圧の低下を見せることを目安にして、そうした低気圧に対して名付けられま
す。時期的には、秋から春へかけた時期に多いといいます。
1954年 5月 9日、北海道東方沖で出漁中の漁船409隻、翌10日には37隻が遭難
するという大災害がこのこの爆弾低気圧によって引き起こされました。
この事件が有ってから、この時期に発生する爆弾低気圧を特に「メイストー
ム」と呼ぶようになったそうです。
この事件が契機となって、気象学的なメイストームの発生メカニズムなどの
研究が進み、その成果は現在の数値予報にも組み込まれているそうです。
研究の結果によって、研究の契機となったような大遭難が未然に防げること
を切に願います。
なんだか今日は、暦のこぼれ話ではなくて、気象のこぼれ話みたいでしたね。
たまにはこんなことも・・・。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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