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■「父の日」にひと言
 今日は 6月の第 3日曜日。「今日の記念日」にもある通りこの日はアメリカ
 では「父の日」として祝日になっています。
 これにならって我が国でも「父の日」となっていますが、この日ペアとなる
 「母の日」に比べると我が国での認知度は、今ひとつです。

 ちなみに、母の日のカーネーションに対応する、父の日のシンボルフラワー
 は薔薇ですが、果たしてこれをご存じの方はどれくらいいらっしゃるのでし
 ょうか?


◇「父の日」の沿革
 「父の日」の始まりは1910年、妻を亡くし男手一つで6人の兄弟を育ててく
 れた父ウィリアム・ジャクソン・スマート氏に感謝したいと兄弟の一人、ジ
 ョン・ブルース・ドット夫人が母の日にならって提唱したのが始まりと言わ
 れます。

 アメリカ合衆国では、父の日は1972年から祝日となっています。
 シンボルフラワーは薔薇。薔薇はキリスト教ではイエスの血の跡に咲いた花
 とされ、神聖な花と考えられています。

 カーネーションが、イエスの死に涙した母マリアの涙の跡に咲いた花として、
 「母の愛」を象徴する花だったのに対して、イエスの血の跡に咲いた薔薇は、
 天上の父なる神の愛を象徴するものとして父の日の花となったのではないで
 しょうか。


◇そして「父の日」にひと言
 父の日も母の日も同じ頃に提唱され始めたものですが、祝日化(アメリカで
 の)された時期では大分開きがあって、父の日は1972年であるのに対して母
 の日は1914年。母の日に58年も遅れての父の日の祝日化でした。
 日本では母の日に比べて明らかに影の薄い父の日ですが、こうしてみると本
 家のアメリカでもやや影の薄い存在なのかもしれませんね。

 父の日始まりは母の日の始まりから遅れること 3年ほどです。
 父の日を作ろうという理由の一つには、

  母の日があって、父の日が無いのは男女同権の立場から不都合である

 というものがあったとか。
 この理由だけではありませんし、これが主たる理由であったとも言えません
 が、それにしても「理由の一つ」としてあるだけでもこんなところに「男女
 同権」なんて言う言葉を持ち出すとはなんだか情けない。まるで感謝を押し
 つけているみたいで、それこそ父の沽券に関わる話です。

  「母の日、いいね。お母さんにちゃんと有り難うというんだよ。
   え、父の日。そんなものも有るのか。いいよ気にしなくたって」

 と心中は「母の日祝ってもらって、お母さんが羨ましいな」と思ったって、
 表立ってはこれくらいの余裕の発言をしておきたいものです。

 薔薇の花もプレゼントも無くたって、全然気にしませんよ。そうですよね。
 さあさあ、全国のお父さん、今日も何事もなかったようにいつもと同じよう
 に日曜日を過ごそうじゃ有りませんか。
 (なんだかいじましいかな・・・)


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