日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■お中元
夏のお中元シーズンがやってきました。そして本日七月十五日は「中元」の
日です。
中元は中国から日本に暦が輸入された当初からすでに存在した暦注の一つ。
その元は、道教のお祭りでした。
◇三元の日
今回取り上げたのは、「中元」ですが、本来はこれだけでなくて、「上元」
と「下元」もあって、上中下そろって「三元」でした。三元の日の日付は、
上元 ・・・ 正月十五日
中元 ・・・ 七月十五日
下元 ・・・ 十月十五日
では、この三元の日がいったい何かというと、道教の三官大帝(竜王の孫だ
そうです)という神様の誕生日だそうです。それぞれの神様はいったい何を
している神様なのかというと、
・天官賜福大帝(上元生まれ)のお仕事
諸天の帝王、高位の神仙、すべての星の神々を統括。
人間に様々な福を賜う。
・地官赦罪大帝(中元生まれ)のお仕事
土皇、四維八極の神々を統括。
人間の様々な罪を赦す。
・水官解厄大帝(下元生まれ)のお仕事
すべての水の神を統括。
人間の様々な厄災を解く。
といったお仕事を持った神様です。どの神様も仲良くしておくと良さそうな
神様ですね。
◇中元の行事
どの神様も仲良くしておいて損はなさそうな神様ですが、特に中元生まれの
神様は、すでに犯してしまった罪を赦してくれる神様だと言うことで、この
神様の誕生日には終日火を焚いて罪の懺悔をしました。
そして、迷惑をおかけしましたという意味で、近所に贈り物をしたそうで、
これが現在のお中元商戦の元となる行事だったようです。
また、「贈り物」の部分だけがこんなに目立った行事となった理由としては、
お盆と同じ時期に在ったと言うこともあるようです。お盆は元々祖先崇拝の
行事で、「祖先」の一員として両親への感謝を表す行事とも考えられたよう
です。各地に存命の親に対して盆に鯖を贈る行事が残りますが、こうした行
事も、お中元商戦への道を補強したのでしょう。
「お中元の品」は贖罪と感謝の気持ちを込めた贈り物なんでしょうね。
このお中元の日ですが、関東では新暦で、関西では月遅れの日付で行われる
ことが多いそうです。さて、皆さんのお住まいの場所では、いつ頃がお中元
の時期ですか?
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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