日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■クリスマスの準備開始
日本ではクリスマスが一種の「年末商戦の代名詞」(?)の如くで、11月も
早い時期からツリーが飾られたり、クリスマスソングが街に流れたりして、
ひょっとして「世界で一番早いクリスマス準備」となってしまっていますが、
こうした商業効果ではなくて、きちんとした宗教行事として考えると、本日
がクリスマスの準備を始める日と言えそうです。
※キリスト教でも東方教会ではアドベントという考え自体がないそうですの、
で本日の話は西方教会系の諸派の話となります。
◇アドベント
本日は、キリスト教のカソリックやプロテスタントでは、本日がアドベント
第一主日で、クリスマスの準備に入る日にあたります。
アドベントとは11/30 の聖アンデレの日かそれに最も近い日曜日に始まると
されます。よってこの日付は11/27〜12/3の間で変化しますが、今年は12/2
がそれに当たる日となります。
アドベントはキリストの降臨という意味のラテン語 adventus から来た言葉
で、待降節とか降臨節と訳されます。カソリック等の西方教会の教会暦の一
年は、この日から始められます。
日曜日はキリスト教では主の日(主日)と呼ばれますが、アドベントからク
リスマスまでには、主日が必ず4回入るようになります。
本来は、クリスマスに供えた断食の期間でしたが、現在は流石に断食は行わ
れていないようです。
◇アドベント・クランツ(Advent kranz)
アドベントの期間に飾り付けられるものに、アドベント・クランツがありま
す。これは永遠の命の象徴であるモミやトウヒの木の枝(冬でも葉を落とさ
ない針葉樹)で作った円形の飾りです。これを水平に据えてその間にロウソ
クを 4本または 5本並べたものがそれです。このロウソクの一本ずつに、日
曜日が巡る毎に順に灯を灯すそうです。
先に書いたとおりアドベントの期間には 4回の主日(日曜日)が巡ってきま
すから、 4本のロウソクに灯が灯るとクリスマスは直ぐそこに来ているとい
うわけです。
5 本目を飾る場合は、クリスマスの日に 5本目に火をともすことになります。
と言うことで、本日はその 1本目のロウソクに灯が灯る日。
クリスマスまで 4週間を切って、正式(?)にクリスマスの準備に入る日と
なりました。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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