日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■2008年、今年の恵方はどっち?
明日は節分です。節分と言えば恵方巻き。
恵方巻きとは、節分の日にその年の恵方を向いてモクモクと太巻きを丸かじ
りする関西の行事。
節分というと、関西ではなぜかみんな黙って太巻きを丸かじりします。
初めて関西に暮らすようになった17年前、
この慣習は何だ?
と思ったものです。それが今では・・・。
郷に入りては郷に従えというとおり、すっかり関西の郷に従っております。
関西にあっては、まあそれも良いだろうと思ったところ、近頃はこの節分の
日の太巻き丸かじりはの慣習の魔手は東日本をも席巻しつつある様子。
関西以外の方でも、節分には恵方を向いて太巻きを食べようと思っている方
がいらっしゃるのでは?
◇「恵方」はどっち?
恵方巻き行事は大阪の商人の街として知られる舟場界隈から明治の頃より始
まったと言われています。
太巻きに巻き込まれた具は七福神に見立てられるなど、商人の縁起担ぎとし
て始められたもののようです。
現在のように恵方巻きが全国化しつつある背景には、海苔の販売促進を目論
んだ海苔業者の戦略にまんまとやられてしまった結果のようです。
まあ、ここは海苔業者さんの顔を立てて戦略にやられたことにしましょう。
戦略に載せられた振り(?)をしておけば、太巻きも食べられますしね。
そこで考えねばならないことは、「今年の恵方はどっち?」ということでし
ょうね。
恵方とは、昔はよく行われたらしい方位占いと関係がある言葉です。
方位占いには、いろいろと「行っちゃならない方位」が沢山ありました。
その「行っちゃいけない方位」とならない安全な方位があって、それがいわ
ゆる恵方です。危険に取り囲まれたなかで、一カ所だけ脱出のための道が開
けています。このため恵方は別名「空けの方」とも呼ばれます。
この恵方ですが、年毎に違うといいつつ、その規則性は簡単。
次のように決められています。
甲・己の年 甲(寅卯の間) ≒東北東
乙・庚の年 庚(申酉の間) ≒西南西
丙・辛の年 丙(巳午の間) ≒南南東
丁・壬の年 壬(亥子の間) ≒北北西
戊・癸の年 丙(巳午の間) ≒南南東
記号が「=」でなく、「≒」なのは、恵方が、方位を 5分割したものを用い
ているため、四方・八方・十六方と分けたものとはしっくり来ない(ちょっ
とずれちゃう)ためです。まあ、そこまで厳密さを要求する話では無いでし
ょうから、「≒」で許して下さい。
さて肝心の今年の恵方はと言うと今年は、「戊子」の年ですから、「戊」の
年を見ると、
戊・癸の年 丙(巳午の間) ≒南南東
となっていることが判ります。
さあ、恵方が判ったところで彼方も太巻きをかじりながら南南東を向く不思
議な日本人の一団に、彼方も加わってみませんか?
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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