日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■灌仏会.2008
明日四月八日は灌仏会(かんぶつえ)です。
灌仏会はお釈迦様の誕生日といわれている日です。
イエスの誕生日とされるクリスマスが大々的(宗教的な意味とは無関係にで
すが)祝われているのに対して、かなり地味な誕生日です。
日付に関しては、新暦で祝われる地域(主に関東)や月遅れで祝われる地域
(主に関西)などがあるようです。月遅れで祝われる地域の方は、一月後に、
ああ、そういえばそんな記事があったなと、バックナンバーなどをめくって
もらえればこの記事に行き着く事でしょう(そのときまで覚えておいてくだ
さればですが)。
◇灌仏会の行事
灌仏会の行事といえば、
花々で飾られて花御堂(はなみどう)を作り、その中に置かれた灌仏盤
(かんぶつばん)または、浴仏盆(よくぶつぼん)と呼ばれるものの中
に誕生仏を安置し、参拝者が竹の柄杓でこの誕生仏に甘茶を注ぐ。
というようなものです。それぞれのお寺によりちがいが有るでしょうが、だ
いたいはこんなところでしょう。
花御堂は釈迦が誕生地、ルンビニの花園を表しているのですが、沢山の花で
御堂を飾る事から、灌仏会は花祭りとも呼ばれます。
甘茶を誕生仏にかけるのは、釈迦の誕生を祝って九頭の龍が天から甘露を注
いで産湯を使わせたという故事にちなむと言います(経典によっては、龍の
代わりに梵天や帝釈天だったりします)。
「灌」の文字は水を注ぐという意味がありますから、灌仏会という名前はこ
の故事から生まれたものです。
元々は五色水という五種類の香料から作られた香水が注がれたものですが、
江戸時代あたりから現在の形になったようです。
◇甘茶の霊験?
灌仏会で誕生仏に注がれた甘茶ですが、参拝者は帰りにこの甘茶を水筒に詰
めて帰り、家族で飲むと丈夫になるとか、目に付けると目がよくなるなどと
いわれます。
またこの甘茶で墨をすり、
千はやぶる卯月八日は吉日よ 神さけ虫を成敗ぞする
と書いて、この紙を戸口や柱に逆さまに貼っておくと、虫除けの呪いになる
といわれます。
なんで逆さにして貼るのか、私は知らないのですが、どなたかご存じなら教
えて下さい(そしたら、その内容を使って来年「灌仏会.2009」 を書けます
からね)。
明日、四月八日はお釈迦様の誕生日。
思い出して、お祝いしてあげましょうね。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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