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■祝日の日数の変遷
 Web こよみのページ情報でもふれますが、毎年の祝日と振替休日、国民の休
 日の一覧表を表示するページを作りました。
 休日のデータを仕事でエクセルの表に組み込んでいるという方が結構いらっ
 しゃって、祝日の表がないかと時々聞かれるから、作ってみたのですが、作
 ってみるとなかなか面白いので、その内容をおってみました。

◇黎明期 1948〜1965(昭和23〜40)年
 祝日の日数は 9日(※1948年は 3日のみ実施)。
 どんな日があったかというと

   1/ 1 元日       1/15 成人の日
   3/2* 春分の日     4/29 天皇誕生日
   5/ 3 憲法記念日    5/ 5 こどもの日
 ※ 9/2* 秋分の日   ※11/ 3 文化の日
 ※11/23 勤労感謝の日

 春分の日と秋分の日は日付が変わることがありますから日付は 2* としまし
 た。この祝日を規定した「国民の祝日に関する法律」は1948年 7月20日から
 施行されたので、※のついた 3日は1948年にも実際に「祝日」となりました
 が、他の祝日は1949年から登場したことになります。
 今から見るとびっくりするほど寂しい祝日の並びですね。

◇第一期成長期? 1966(昭和41)年
 この年から祝日の数が12日に増えます。増えたのは次の三つ

   2/11 建国記念の日
 ※ 9/15 敬老の日   ※10/10 体育の日

 ※の二つはこの年から祝日となりましたが、建国記念の日の実施は翌年から
 (法律の改正が1966/06/15だったから)となりました。
 建国記念の日の祝日化には賛否があり(ことにその日付に関して)どうして
 もこの日を祝日化したかった人々が、当たり障りのない体育の日や敬老の日
 の祝日への追加に紛れ込ませて祝日化したように見えます。考えすぎ?

◇第二期成長期? 1973(昭和48)年
 この年から俗に「振替休日」と呼ばれる休日が現れます。
 これは、祝日が日曜日(休日)と重なった場合、翌月曜日に休日を振替ると
 言うものです。それまで、日曜日と祝日が重なると損した気分になっていた
 のが、解消されました。良く覚えています。

 振替休日の最初は1973/04/30(天皇誕生日の振替)、次が9/24(秋分の日の
 振替)で、この年は祝日とこの 2日の休日で14日の休みがありました。
 ちなみに、この振替休日ですが法律的にはただの「休日」で、振替休日とい
 う言葉はありません。

◇バブル期1?  1988(昭和63)年
 この年から、「国民の休日」と呼ばれる休日が追加されました。
 これは、 5月のゴールデンウィークの5/3と5/5の合間の 5/4も休みにしよう
 との目論見での追加。ただしこの年は振替休日が 1日しかなく、 5/4が休み
 になっても祝日絡みの休日の数は14日と、特に増えた感じはありません。

 なお、この「国民の休日」という言葉も法律にはありません。ただの「休日」
 となっています。

◇バブル期2?  1989(平成元年)年
 この年元号が平成と変わり、新しく昭和天皇の誕生日であった4/29が「みど
 りの日」として祝日に追加されます(天皇誕生日は 12/23へ)。
 この年は振替休日が 2日、国民の休日が 1日あって、合計16日の休みがあり
 ました。

◇頽廃期?  2007(平成19)年
 久々に祝日法の改正があり、4/29の「みどりの日」が「昭和の日」に、 5/4
 の国民の休日が「みどりの日」に名前を変えました。またこのみどりに日の
 移動に関係して、振替休日の規定が変更され、火曜日以降が振替休日となる
 可能性が出現しました(実際の出現は2008年)。2008年の祝日等を見ると、

   1/ 1 元日       1/14 成人の日
   2/11 建国記念の日   3/20 春分の日
   4/29 昭和の日     5/ 3 憲法記念日
   5/ 4 みどりの日    5/ 5 こどもの日
   5/ 6 振替休日     7/21 海の日
   9/15 敬老の日     9/23 秋分の日
  10/13 体育の日    11/ 3 文化の日
  11/23 勤労感謝の日  11/24 振替休日
  12/23 天皇誕生日

 となります。
 そう言えば5/4 が祝日化したため「国民の休日」がなくなりましたが、規定
 そのものは残っているため、ある時ふと復活する珍現象が起こる可能性があ
 ります。現在予想されるその珍現象は

  2009/09/22 と 2015/09/22 (敬老の日と秋分の日の間となる)

 それまで、国民の休日は姿を消します。

 現在、振替休日や国民の休日などの出現で祝日(と関連する休日)の日数は
 一定しませんが、少ない年で14日、多い年は19日の祝日等があります。
  9日から始まったわけですから、倍近く(時には倍以上)にも増えてきまし
 た。こうしてみると祝日もそろそろ「飽和期」と言っても良いかも知れませ
 んね。むやみやたらと増やせば国民が喜ぶなんて、政治家の皆さん、単純に
 思わないように願います。

 最期に、ここ数年の祝日等による年ごとの休日の日数を示します。

  2006年・16日  2007年・19日  2008年・17日  2009年・17日
  2010年・16日  2011年・15日  2012年・18日  2013年・17日

 ※後日追記
  この記事をベースに Webこよみのページに次の解説記事をまとめました。
  日本の祝日の変遷 http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0332.htm

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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