日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■「半夏生」の生える頃
明日 7/1は半夏生(はんげしょう)。
半夏生は七十二候の一つでありかつ、雑節の一つにも数えられています。
昔は「半夏半作(はんげはんさく)」といい、この日までに田植えを終えら
れれば、なんとか平年作の半分の収穫は見込めるという田植え終了の時期の
目安となっていました。
現在ではこうした実生活での節目としての役割は薄らぎ、そのちょっと不思
議な名前から、「そう言えば・・・」と思い出される日になっています。
この日は天から毒気が降り山菜や筍などに宿るため、こうした物をとって食
べるのを忌むとか、井戸に毒がしみ込むのを防ぐため蓋をしなければならな
いといった迷信がありました。
流石に今は信じている人はいないと思いますが、そうした慣習は残っている
かも知れませんね。
◇「半夏生ず」か「半夏生生ず」か
七十二候の半夏生の名前は元々は「半夏」という植物が生える(生ずる)と
いうことです。半夏はカラスビシャク(烏柄杓)というサトイモの植物のこ
とです。どんな植物かは、AOKIさんの仮想電子植物園などご覧下さい(↓)。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/karasubishaku.html
さて、本家の「半夏」はこの植物ですが近頃は、半夏生というと「半夏生」
という名前の植物が紹介されることが多くなっています。
こちらの姿もAOKIさんの仮想電子植物園を参照させていただきます(↓)。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/Hangeshou.html
こちらはドクダミの仲間の植物です。
この植物は夏の頃花を咲かせるのですが、花が咲く頃になると葉っぱの白化
現象ということが起こり、緑色の葉っぱが付け根から半分ほど白くなってし
まいます。この白くなったところがまるで白粉を塗ったかのようだというこ
とで半分だけ化粧したもの、則ち
半化粧(ハンゲショウ)
から、この白化現象が起こる時期とその発音との一致で「半夏生」と呼ばれ
るようになったのだとか。
ちょっと笑い話になりそうな話ではあるのですが、確かにこの「半夏生」の
姿を見ればわからないでもないと思えます。
ただし残念なことにこの半分化粧した半夏生ですが、現在ではあまり見かけ
ることがなくなってしまいました。無くなってしまってはこんな
半夏 と 半夏生
の話もかけなくなってしまいます。いつまでも無くならないでいて欲しいと
思うのは、なにも日刊☆こよみのページの話題が無くなるからなんていう理
由からではありませんよ(それも少しはありますが)。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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