日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■「海の日」と「海の記念日」
今日の記念日データをご覧になって、「あれ?」と首を捻られた方がいらっ
しゃったのでは無いでしょうか。だって、 7月第 3月曜日に変わったはずの
「海の記念日」が今日の日付に入っています。確かにおかしいですね。
さてここで問題です。
7月の第 3月曜日は「海の記念日」か?
当たり前だと思った方、よく考えてください。俗に言われるハッピーマンデ
ー法で 7月の第 3月曜日に移動となったのは祝日、「海の日」です。
果たして「海の日」は「海の記念日」なのでしょうか?
◇祝日としての「海の日」
現在の「国民の祝日に関する法律」(通称、祝日法)によれば海の日の内容
とは、
海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。
とだけ書かれています。日付はといえば1996〜2002までは7/20に固定、2003
年以後は 7月の第 3月曜日となっています。
さてこの海の日がどうやって生まれて来たかを考えてみましょう。
◇「海の日」は「海の記念日」だった
1996年に海の日が日本の祝日に加わったとき、その日付として選ばれたのが
7/20。なぜならその日が「海の記念日」だったからです。
海の記念日の由来はこうです。
明治9年に明治天皇が東北地方巡幸の帰途、灯台視察船「明治丸」に乗っ
て、横浜港に帰還した日を記念して、1941年に当時の村田省蔵逓信大臣が
提唱して「海の記念日」とした。
まあ、理由としては取り立てて言うほどの理由かという気もしますが、ひと
まずこうして7/20は「海の記念日」となりました。
さて、祝日「海の日」ですが、その内容からすれば日付は何時でもよかった
はず。何時でもよかったからどうせなら「海」と関わりの深い日と、「海の
記念日」が「海の日」の日付の候補となったのでしょう。
◇ハッピーマンデー法と記念日の関係
連休を増やして消費の拡大を狙った俗に「ハッピーマンデー法」と呼ばれる
祝日法の改正が施行されるようになると、もともとが何時でもよかったその
日付の根拠のうすい幾つかの祝日の日付が月曜日に移動させられました。
「海の日」もその移動させられたものの一つ。
さて、祝日としての「海の日」の日付は、それを規定している祝日法が改正
されたのですから変更されるのはちっともおかしなことではありません。で
すが、「海の記念日」はどうなのでしょうか?
「海の記念日」が記念日とされた理由はハッピーマンデー法があろうが無か
ろうが変化するものではありませんし、祝日としての「海の日」が出来る以
前からずっと
「海の記念日」は7/20
だった訳です。また、祝日の「海の日」が出来たときに
「海の記念日」は今後は「海の日」とする
なんていう海の記念日の改正は行われていないですから、「海の記念日」と
「海の日」がそれぞれあるとしても何もおかしくないと思います。ならば一
時期たまたま同じ日となった「海の日」という祝日の日付が法律の改正で変
更になったからと言って「海の記念日」まで日付が変更になるのでしょうか。
そんなことは無いと、私は思うのですが如何に?
◇そしてこよみのページでは「7/20は海の記念日」
上のように「海の記念日」と「海の日」の日付を考えた結果、私は「海の記
念日」と言う記念日は、ハッピーマンデー法の影響を受けるものではないと
考えて、
7/20は「海の記念日」
として表示しています。
「海の記念日」自体は既に書いたとおり、その日付の根拠となっている歴史
的事実はあまり大したものではないように思いますが、その評価は別として
記念日というものは、正に何かを「記念」するための日付ですから、その日
付とその記念日の意味の間にははっきりした理由があるべきだと考えます。
祝日法は、その第一条で祝日の意義を次のように書いています。
第一条(意義)
自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、より
よき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝
い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。
元々「祝日」は、日本という国、国民にとって忘れてはならない大切なこと
が行われた、起こった日を記念するために生まれたものなのに、単に連休を
増やそうというような浅薄な理由(?)から、祝日の祝日としての本来の意
味を失わせるようなことをしてどうするのだと思います。とは言え、自分で
法律をどうこう出来るような立場にありませんので、
7/20は「海の記念日」
と「海の日」とは別に書くことで、ささやかな抵抗の意志を表明しています。
意固地なだけなのかも知れませんけれどね。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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